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<ガンバ大阪>プレーオフステージ第1戦は、1−0で完封勝利。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ルヴァンカップ・プレーオフステージ第1戦。ホームにジュビロ磐田を迎えたガンバは、7分という早い時間帯にFWファン・ウィジョがゴールを決めて先制に成功。その後、やや停滞した時間も見られ相手にペースを握られたが『アウェイゴール』を意識した守備を徹底する中で1-0で試合を締めくくり第2戦につなげた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●レヴィー・クルピ監督

今日の結果は非常に嬉しく思います。相手にアウェイゴールをとらせなかったのも非常に大きいと思います。試合の内容としては互角の、接戦だったと思いますが、今日の結果により、第2戦、アウェイで先制ゴールを決めればさらに優位な状況になるという結果を出すことができたので、このアドバンテージを生かすべく次に向けてまた準備をしたいと思います。

ー先制点について。長沢駿選手とファン・ウィジョ選手とのコンビネーションからゴールが生まれましたが、今日は二人が近いポジションでプレーしていました。彼らの今日のプレーについて、また今日のポジションがベストと考えているのでしょうか。

今日のような2トップの形がベストかと言われれば、そうでもないと思っています。リーグ戦を通してチームとしてのバランスがまだなかなか取れない中で、選手の特徴を考えながら起用しているのが現状です。まだまだ修正点はあるのですが、私が抱いているコンセプトと、選手の抱いているコンセプトがまだズレている気がするので、その部分を修正していくことが、今後の課題になっていくと思っています。

ーGKの林瑞輝選手が好セーブを連発されましたが、評価を聞かせてください。

今日のパフォーマンスも最高のパフォーマンスと言っていいと思います。彼は非常に存在感のあるGKで足元でつなぐ技術もしっかりしていますし、今日の試合の中でもイニシアチブをとってミスを恐れないプレーをしていたと思います。彼に限らず我々のGK陣には非常にレベルの高い選手が揃っていると思っています。

●GK林瑞輝

まずアウェイゴールを与えなかったのが一番大きいし、そこを自分のノルマとして課していたので達成できたのは一番いい結果だったと思います。(ご自身もそこに貢献できました)ちょくちょくミスはありましたが、最後のところはやらせなかったので少しは力になれたのかなと思います。(前半特に中村俊輔選手の好位置からのフリーキックが続いた時間帯もありました。どういう対応を意識しましたか)キッカーも左右、蹴れる選手がいた中で、相手はいろいろ駆け引きしてくるだろうなって思いましたけど、自分サイドでまず絶対にやらせないということと、壁を越えてきても、なるべくいけるところまでいこうと考えていました。駆け引きに負けなかったのが止められた要因かなって思います。(ここ数試合、自分主導の守備ができるようになってきたと話していましたが、今日の試合でもそれができたという手応えはあるのではないですか?)押し込まれる展開が多かったですけど、自分が出始めた頃なら、ディフェンスラインがへばりついてゴール前で守るっていうのが多かったのに対して今日は相手のラインをさげさせるために、こちらのラインをあげるということを意識してできたと思うので、そういう意味ではだんだんと自分が守りやすいようにみんなが動いてくれるようになってきているのかなとは思います。(東口順昭選手が日本代表でいない間、自分が支えないといけないという思いはありますか?)ヒガシくん(東口順昭)が怪我している間もこのチームのゴールを守らせてもらっていたというのもあるし、いない間も、これまでのイメージ通り、特に、変に気負い過ぎることなく普通にやったらいいかなと思っています。試合を重ねるごとにやれるという自信がついてきている途中なので、集中を切らさずに出た試合はベストパフォーマンスを残せるようにやるだけだと思っています。

●MF遠藤保仁

勝つことが重要ですし、アウェイゴールを与えなかったのはさらにいいことだと思います。でもまだ半分が終わっただけですが結果としては悪い結果じゃないと思います。(早い時間帯に点が入っての進め方について)前半は少し相手のペースで試合が進んでいったので、自分たちがボールをキープしながら2点目をとれるような形にもっていければ良かったですが、アウェイゴールを与えないというのが頭にあったと思いますし、我慢しながらっていう感じではやっていたので。ただ、もう少し前半から良くしていかないとっていう意味では多少の反省点も自分の中ではあります。(守備が良くなっているという手応えはありますか?)リーグ戦の序盤戦で失点が多いっていうことでこの中断期間でしっかり守備をしていこうという中で今日の試合でゼロに抑えられたのはよかったと思いますし、何度か危ない場面もありましたけど、前半的には守備も踏ん張れていたと思う。これを続けながら、しぶとく勝ちを拾えるようになっていくだろうし、チームも勢いづいていくんじゃないかなと思います。

●FWファン・ウィジョ

サイドからいい突破ができて、そこから長沢駿選手のいいパスが来ていい形で決められてよかった。長沢選手と試合前、できるだけ攻撃的にやっていこうと話していた。それがいい形として出せたのでよかった。(鳥栖戦以来のゴールでした)そんな長く決めていないとは思っていなかった。決められてよかったです。

●MF藤本淳吾

先制できたのはよかったのですが、そのあと停滞したのが課題です。(アウェイゴールをとられたくないという意識が働きすぎたのでしょうか?)そういうわけでもないですけど、それもあったというか、慎重になった部分はあったと思います。2点目をとれるチャンスでとりきれなかったことも課題として残りました。(淳吾は裏のスペースを狙って長いパスと短いパスで周りをうまく走らせていました)そうですね。前半1つシュートのタイミングがあった時に出せなかったというか、出さない判断をしてしまったので。相手を嫌がるプレーをしないと相手のラインも下がらないし、っていう意味では後半は意図的に出し続けたところはあります。次は自分が受け手になれるようにしたいです。(後半、ヨネに出した絶妙のスルーパスのシーン。受ける方も出す方も息が合って来たなっていう手応えはありますか?)自分が下がったタイミングでヨネ(米倉恒貴)にはあがらせるイメージで…でも、ちょっとゴールが決まるイメージがなかったので(苦笑)。駿(長沢駿)が…肩に当てて外すんだろうなって思っていたら、その通りになってしまった(笑)。ああいうのが決まっていくようになればリズムが出るはずなので、そこは僕も含めてもっと突き詰めていければなっていうのは思います。とりあえず最低限の結果は出せましたが、1−0というスコアはまだわからないので、とにかくアウェイでしっかり勝てるようにやっていきたい。今日はボールは握られましたけど大事なところは締められていたので、ふられるのはきついとはいえ、そこをしっかり耐えられたのは良かったです。

●MF食野亮太郎

(リードしている状態でピッチに立ちましたが、まずは守備をというイメージも強かったですか?)オ・ジェソクと一緒に入ったので、まずはサイドの守備を、コミュニケーションをとってやらせないようにしようってことと、先週1週間のトレーニングの中でだいたい自分が入る形はわかっていたので、いかにミスを減らしてどれだけ貪欲にゴール前にいくかということを自分に課していました。(途中から入ると最近は右が多い。右のほうがやりやすいんですよね?)はい。右がやりやすいです。特にそれを監督に伝えたわけではないんですが、右で使ってもらうことが多くて。でもそこは臨機応変に左もっていうこともあると思うんですけど、とにかく出るからには結果を残せるようにやっていきたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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