Yahoo!ニュース

<ガンバ大阪>ホームでの浦和レッズ戦はチャンスを活かしきれずスコアレスドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

4月からの連戦を締めくくる中断前最後のJ1リーグ・浦和レッズ戦。25361人の観衆が見守る中、序盤から気持ちの感じられるハードワークと攻守にバランスのとれた戦いを見せたガンバだったが、1点が遠く、0−0に終わった。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●レヴィー・クルピ監督

今日の試合、勝ち点1というのは数字の上では決していい結果とは言えないかもしれませんが、ただ今日選手たちがみせてくれた戦うスピリットは、今シーズン一番良かった試合の1つと言えると思います。今日のような戦い方ができれば、今後負けることはないと思いますので、今日の試合を最低ラインとして、選手たちには意識を変えていってもらいたいと思います。

ー無失点で抑えられたのは東口選手の好セーブも効いていたと思います。復帰してから彼のここまでのパフォーマンスについての評価を聞かせてください。

東口選手の回復ぶりは、私に言わせれば本当に驚異的な回復ぶりだと思います。今回、顔面に3度目の怪我を負いましたが、にもかかわらず復帰後、本当に勇敢なプレーを見せ続けていて、何も問題がないかのようなプレーをしているところをみると、今回の日本代表選出にふさわしい選手であり、彼こそが勝者と呼ばれる選手だと思います。この場を借りて彼の勇敢なプレーを称えたいと思います。

●GK東口順昭

ホームだし勝ち点3は欲しい展開でしたけど、これから戦っていく上で、後ろの安定感は監督も大事だといっていましたし、それが今日は出ていたと思う。これを続けていけば前もしっかり点を取ってくれると思うし、今日はチャンスも作れていただけに、これを続けていければいいなと思います。(安定感のところでは東口選手のビッグセーブもありました)そこで本当にチームが粘れるかどうか決まってくると思うので、ディフェンス陣として今日はしっかり集中して守れたと思います。(相手の西川選手もかなり気迫のあるパフォーマンスを見せていました。気持ちも戦いというところも見えました)そうですね。これまでも切磋琢磨してやってきたし、周作(西川周作)は憧れの存在なので僕も全てぶつけていきたし、これからもいければと思います。(試合後、ユニフォームを交換していました。GK同士では珍しくないですか?)あまりやってないですね。(やはり特別な感情があった?)そうですね。頑張って!と言われました。(西川選手は「ヒガシに託した」といっていました。そういう西川選手の思いはどう受け取りますか?)まだ本戦はどうなるかわからないけど、そういう選手たちの思いというのは絶対にあると思うので、選ばれたからにはしっかり、責任を持ってやっていきたいと思います。

●MF食野亮太郎

(チャンスがあっただけに悔しさの方が大きいですか?)そうですね。ああいうところでずっと決めなきゃ、っていっているので。決めなきゃいけないし、決めきれないのは実力不足だと思うので。途中から入ってファーストプレーがあまりよくなかったので、そういうところも入りから集中していかないといけないと思いました。(チームとしての戦いということを考えると攻撃も守備もある程度理想とするサッカーはできたという展開でしたが)相手も強かったので…難しい試合にはなったんですけど、途中から入っただけにもっと試合を掻き回さないといけなかった。背後に蹴ったりとか、ボールを受けて仕掛けたりとか、積極的にやっていかないと相手の動き、相手の穴をあけるためにしっかり動かないといけないなって思います。(前半みていた中での相手の穴をどこに感じていましたか)結構3バックの脇が甘くて、ウイングバックがスライドできていなかったから、自分が入ったら背後に流れていこうと意識していました。最後のシーンもそうですけど、ウイングバックの切り替えが遅かったので奪って出ていってボールが1本出てきたら、最後みたいなシーンが作れるので、あとはしっかり仕留めるだけだと思います。

●DF米倉恒貴

試合内容としては良かったと思うんですけど、それでも何がなんでも勝ちにつなげなければいけない試合だったので、そこは悔しさが残ります。自分も決定的なところで最後の精度が低かったところもあったから、そういうところがもっと上がっていけばっていうのもあるし、今日はみんなのテンションがいい時のテンションで…そういういい悪いがあったらいけないんですけど、こういういいテンションの試合、内容を最低でも続けていければ後半戦、浮上できると思うし、負けることもないと思います。(あとはフィニッシュの精度のところですよね)そうですね。最後のクオリティはあげなきゃいけないし、そのためには続けていくしかないのでとにかくやり続けていきたいです。

●MF遠藤保仁

どちらが勝ってもおかしくない試合だったと思いますが、やっていても非常に楽しくサッカーができましたし、引き締まったゲームだったと思います。ただ勝ち点3をとれれば自動的に浦和を抜ける試合だったので、勝ち点3は欲しかったですけど、こういう試合が続けば上にいくきっかけになるとは思います。試合の流れの中では、うちの時間もありましたし、逆に浦和の時間帯もありましたが、それはゲームでは起こりうることなので。ボールもテンポよく回せていた時もありましたし、サイドからいいチャンスも作れていたので、もう少しこれを続けてやっていければいいなと思います。(最後仕留めるというところも?)そうですね。結局はゴールを奪わないと勝てないので。奪われないことももちろん必要ですけど、チャンスがあればリスクを負って前にいくところは、さらに磨きをかけていければと思います。(藤本選手の状態があがってきたことで、遠藤選手との絡みも増え、うまくボールが回り始めている)淳吾は頭がいい選手なので、的確なポジショニングもとれますし、テンポよくボールも回すことができるので。マテウスを含めしっかり3人でうまく作っていければと思います。(Jリーグ後半戦に向けて修正していかないといけないことは?)この順位にいることをしっかり頭に入れて戦わないといけない。守備も少しずつ課題はクリアしつつありますし、攻撃も少しずつよくはなってきていると思うので、ここから一気に順位をあげていくためにも中断期間でしっかりといいコンディションを作って練習や練習試合の中で全体をあげていきたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事