ホームで行われたJ3リーグ第３節のブラウブリッツ秋田戦。集中した立ち上がりを見せる中、ガンバU-23は15分にMF福田湧矢のスーパーミドルシュートが決まり今シーズン初めて先制点を奪う。その後、ミスから失点を喫したものの、気持ちを切らすことなく戦った後半もペースを握り、79分にFW一美和成が決勝ゴール。昨年のJ3リーグで首位を飾った相手から白星を挙げ、ホーム２連勝を飾った。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖U-23監督

第1戦目の開幕戦と、２戦目の立ち上がりの悪さが目立っていたので、それが今日に関してはアグレッシブに、相手陣内でボールを動かすような、ボールを持っている選手に対してしっかりボールにプレッシャーをかけられるようにしようという話をして試合に入りました。選手がそれを実行に移してくれたと思っています。その中で湧矢の素晴らしいシュートがはいるところまでは、理想的な立ち上がりだったと思います。ただ少しのミスで同点になってしまって、少し相手の勢いに飲まれる展開になりましたが、全体的には悪くないという印象を受けた前半だったので、少しのパスミスだったり、などが改善できれば、もっとよくなるし点も取れる後半になるという話をして選手を送り出しました。選手も開幕戦のいいイメージが残っていたところもあると思いますので、後半も非常にアグレッシブな戦いをみせてくれました。ただ更に言えばもっともっとシュートを打っていけるシーンもあったので、そこはもっともっと選手に求めながらやっていきたいです。３戦目を終えていろんなメンバーが変わった中で、でも選手たちがそれぞれの課題や、いろんなところにトライしながら試合を戦っているところが目立ちますし、それによって手応えを感じている選手もいると思います。次のYS横浜戦も非常にコンパクトに戦ってくるいいチームなのでしっかり準備をして臨みたいと思います。

ーメンバーは違うとはいえ、昨年首位の秋田に対して結果を出せたというところは自信になるところもあるのではないでしょうか。

着実に選手が、去年から一緒にやり始めた選手は成長ぶりを感じますし、厳しい競り合いの部分で勝ち切れたり、ボールを奪えたり、しんどい時間帯でも前に出ていったり、秋田の選手たちもアグレッシブなものをもっていましたが、それを上回るものを見せてくれたというところで、何人かいいプレーはしてくれたなと思っています。それは自信にしてもいいと思いますが、まだまださらに、っていうところはあるので、それを求めていきたいです。

ー福田湧矢選手はゴールのみならず攻撃で存在感を示しましたが、彼の評価を。あと悪くないパフォーマンスを見せていたと思うのですが、後半途中で交代した意図を教えてください。

湧矢はもともと持っている良さを…ボールを持って、前に運べたり、守備に関しても厳しくボールを奪いに行って奪い切れたり、というところが良さで、プロに入ってキャンプ中みえていた部分が少し最近はトーンダウンしていたので、プレー面に関して少し整理をして話をしたところもあります。シンプルにするところと、どこにポジションをとってボールを受けるかということだったり、ボールを運ぶとか、離すとかの判断の精度をあげよう、と。本人は思い切りの良さからシュートが決まったことでのびのびプレーしてくれたと思います。そういういい部分は後半もありましたけど少し守備の切り替えが遅くなったところもありましたし、少しエネルギー不足を感じたので、勇人（森）もいい準備をできていたので交代しました。

●DF菅沼駿哉

２試合続けてああいう立ち上がりになっていたので入りは気をつけようということは言っていましたし、経験のあるヨネくん（米倉恒貴）が入ったことで、最初の立ち上がりも集中できたので良かったです。チームとしても３試合目で、ようやく自分たちの形もできてきた。まだまだミスは多いですけど、勝つことに対しての貪欲さみたいなところに若い選手が気づいてきてくれたところもあるので、自分もそこでもう少しコミュニケーションをとって、その重要性を伝えていくという作業もしながらやっていきたいと思っています。（去年の首位のチーム相手にしっかり結果を出せたのは自信に？）若い選手は試合前、秋田のことを強いって話していましたが、その秋田に勝てたことで自信はつけてくれたと覆います。ただ、もう少しミスを減らさないと。今日のようにミスが多いままでは、ヨネくんとか経験がある選手がいなくなって、助けてくれる人がいなくなった時に、鹿児島戦のように難しい試合になってしまうので。もう少し自分たちのプレーにこだわってやっていこうということを僕自身も伝えていけたらいいなと思っています。

●GK林瑞輝

（アグレッシブな立ち上がりになりました）個人としては立ち上がりはシンプルにやるというのをいつもより強く心がけたし、全員がその立ち上がりのところについての意識はあったはずなので、それがこういう立ち上がりになったのかなと思います。（失点シーンについて）オム（山口竜弥）のパスミスで、スルーパスみたいになってタカくん（西野貴治）と僕が二人いた状況で…僕のイメージとしてはまずポジションをとり、そこからゴールを止めようというイメージだったんですが…。タカくんの股下を通ったけど、結果的に距離もあったし、僕がそこまでファーサイドを気にしなくても良かったのかな、っていう自己分析はあります。もうちょっと相手を観察してしっかりとしたポジショニングをとれていたら入れられずに済んだかなっていうのは感じました。細かいところですが、味方のミスと、自分のミスが２つ続いたので、そういうところがあるとヒガシくん（東口順昭）を超えられない。J3にはどのタイミングで出場するのかわからないですが、出た試合で日頃の練習の成果を出せるように、チーム全体を通して無失点がないし、今日も止められそうな失点をしてしまったので、そこは反省したい。ただ失点の後崩れなかったのは意識したところだったと考えればそこまで悪い守備ではなかったと思います。

●DF西野貴治

今日は入りがよくて…２試合連続悪い試合が続いていて、それも監督には言われていたので、そこは選手も意識していたし、先制点もとれたので良かったです。（失点シーンについて。山口選手のパスミスから始まりましたが）そうですね。あのミスは流れがいい時間帯だったし、致命的ではありましたが、そのあとも駿哉くん（菅沼）と僕の２枚いて、相手が１枚だったので守りきれる場面だったかなって思います。でも失点してもあまり受け身になったり流れが悪くなることもなく自分たちのサッカーを続けられたので、そこは去年のJ3の試合と違うところかなと思います。去年と比べてもよくなっていると思います。（そうなっている理由は？）点も取れるし、粘り強く…後半も流れはうちにある中でなかなか点は取れなかったけどそこでも粘り強く続けられて、点を取れたのは良かったのかなと思います。あそこで去年ならあのまま点を取れないままずるずる守って、そこで失点もして、っていう流れになったけど、逆に今年はそこで点を取れるのは、U-23として成長できているところかなと。それによって後ろが我慢できるところもあるし、開幕の盛岡戦もそうでしたがヤン（高宇洋）とレオ（高江麗央）のところがすごく二人でバランスをとりながらやってくれているので、後ろはすごく楽です。

●MF高江麗央

（ボランチが効いている分２列目も機能しているし、チームとしてもいい形ができていますね）そうですね。前線の選手がああやって点を取ってくれるし、いい連動をしてくれているので、そこに自分たちはしっかりあわせて、ボールを回収して繋げていけたらと思っていますし、それは練習から意識してヤン（高宇洋）ともコミュニケーションをとりながらやっています。（去年はなかなかゴールが生まれない序盤だった。今年は前が取れていることで頑張るところもある？）そうですね。前の選手が…一美くん（一美和成）とか亮太郎（食野）とか、何かしてくれるっていうのが頼りになるというか、ボールを預ければなんとかしてくれるっていうのがあるので。でもそれも自分たちがボールを回収しない限りそこには繋げられないので、前線の選手のためにも、少しでも楽になるように俺とヤンで頑張ってボールを回収しようということは言っていますし、ツネさん（宮本恒靖監督）にもボールを回収することは求められているところなので、やっていかなくちゃいけないなと思っています。（ボールを回収した後、ギャップのところに食野選手や福田選手が入ってくるなど、そこの関係もチームとしてよくなっていますね）まあ、うまく亮太郎とかがパスコースを作ってくれるのでそこにしっかりつけるだけというか。まだミスがあるのでミスをなくして、ちゃんとつけられたらもっと点も取れるしチャンスも増えるかなって思います。

●DF山口竜弥

今日は試合前に宮本コーチからすごく立ち上がりのことを言われていて、そこはしっかりしようとチームとしても引き締めて入りました。（失点シーンのパスミスについて）あそこは…正直ボールをもらったときに緊張してしまって、パニクってしまって、ボールが強すぎてしまった。先発デビューだったからとか関係なく、ボールをもらったらやることは決まっていたのに、後ろでトラップしてしまったっていうところが自分の最大のミスかなと思っています。（J3リーグのスピード感とかはどんな風に感じましたか？）高校と違って、想像していた以上にプレスもすごくスピードを持ってやってきますし、もちろん強度も高いので。高校と違ってスペースを与えてくれないですし。そのスペースがない中でのプレーをもっと磨かないとダメだなって思いました。でもここで結果を出せないようではトップの試合にも届かないので、もっとそこは自分を磨いていかなければいけないと思っています。（そうしたスピード感の中でも自分らしいプレーを出すためにはどの部分を改善したいと思っていますか？）視野の確保とか、体の向きとか、ファーストタッチの置く位置とかを突き詰めていかなければ改善されないんじゃないかと思っています。（失点した後、少し慌てた時間帯もあったけど、自分たちのペースを取り戻して追加点を奪えた）チームメイトがそこで「切り替えろ」って声をかけてくれたし、そこで潰れちゃうとプロとして失格なので、そこは切り替えて次はどうするかっていうことを考えてやっていました。