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ガンバ大阪が新潟を征し、ナビスコカップ決勝進出!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

11日に行われたナビスコカップ準決勝、第2戦。アウェイでの第1戦を1−2で折り返したG大阪は1−0でも決勝進出が決められる状況の中、スコアレスで迎えた後半、MF遠藤保仁の直接フリーキックで先制すると、試合終了間際にもDF藤春廣輝のゴールで加点。日本代表選手4名を欠いての苦しい戦いを征し、2年連続となる決勝進出を決めた。試合終了後のG大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

2試合トータルで決勝に進めたのは、1戦目、2戦目に出場した選手が本当に力をあわせて、また今回ホームでサポーターの後押しがあって決勝に進出できたと思っています。選手、サポーターに感謝したい。本当によく選手は戦ってくれたと思っています。

ー遠藤選手のフリーキックについて。

素晴らしい縦回転のボールだったと思います。今シーズン、初めてのフリーキックを決めてくれた。待ちに待ったゴールが決まった。こういうところで決められるというのはさすが持っているなという感じがします。

ー藤春選手のゴールの前のプレーあたりからみていた心境を聞かせてください。

2点獲っても、うちの状況はあまり変わらないので。相手に獲られたら延長までもつれるという状況だったので、ゴールしたことより、逆にあと少し時間が残っていたのでそちらを気にしていました。それもあってパトリックをさげたりして…相手の大井が上がってきいたので、パトにさがれって伝えたんですが通じていなくて、サイドの方でちょろちょろしていたので。大井についていけと言っていたんですけどね。それがなかなか伝わってないことがショックでした(笑)。

ー前半先に点を獲られたくないという意識もあったとは思うのですが、攻守のバランスの取り方はどう考えていたのでしょうか。

前半は逆にもっとアグレッシブにいかないといけなかったのが、テンポがなんとなくあがらなかった感じがあって。ハーフタイムにテンポをあげて仕掛けていかないと終わってしまうぞと話をしました。そういう中で後半はだいぶテンポがあがってきてシュート場面や仕掛ける場面ができて、セットプレーからとることができたのですが…前半がなんなのか…想像以上にあがらなかったなという感じはしています。

ー今野選手はトラブルですか?

打撲の影響で若干、腰に痛みを訴えていたので。詳しい箇所はドクターにまだ聞いていないのでわからないですが、ハーフタイムも痛がっていて、ただ今ちゃんなので、頑張りますと言っていたのですが、あまり今野らしいプレーでもなかっし、点を獲らなきゃいけない状況だったので、早めに井手口に代えました。

ー途中出場の井手口選手と倉田選手の評価について聞かせてください。

陽介はよくプレーしてくれた。ヤットとうまく中盤で絡んでリズムを作ったり、守備のところもきちっとディフェンスラインの前でやってくれた。陽介に関しては安心してみていた。前回の悔しさもあっただろうし、今回はきちっとプレーしようという気持ちが本人もあったんじゃないかと思います。秋については少し疲れている感じはしました。いつもの秋よりは若干、運動量が…でも、その中でボールを追いかけたりとか、ドリブルで仕掛けたり、っていうのは、秋の気持ちがないとできないプレーだと思いますから。あのあたり、本当に、今シーズン途中から調子をあげてきて、チームの中心だという責任感がなせるプレーなんじゃないかと思います。

−2連覇に王手。意気込みを。

またあの場所に戻れるというのは、まだ実感はないですが、本当に選手の頑張りがあそこにまたサポーターを連れていけるんだと思います。相手も鹿島に決まったので、非常に素晴らしい相手と決勝を戦えることを幸せに思いますし、昨年はナビスコから三冠が始まったと思うので。あれがあって終盤、乗っていけたと思っていますから。21日には広州との大事な試合も控えていますが、1つこういう決勝を決めたことで選手も自信を持ってこれからの試合に臨んでいけるはずだし、またいい形でナビスコ決勝を迎えらるようにこれからの試合に向けてもしっかり準備していきたいと思います。

●西野貴治

危ないミスもありましたが、しっかりゼロで終われたのはよかったし、まず決勝に進めたのが一番良かったです。(ゲームプランとしてはどういう意識で試合に入ったの?)1−0でも勝ち上がれたんですが、1−0でいくのはなかなか難しいので、3−0くらいで勝つくらいの気持ちでやろうということを監督にも言われて、試合に入りました。(西野選手らしくないクリアミスもありましたが、それは試合感のところですか?)いや、あれはただのミスですね。前半は多かったです。(なかなか点が入らない状況が続いた。遠藤選手のフリーキックでかなり落ち着いたのでしょうか)かなり大きかったです。やっぱり0−0で、試合展開としても難しい中で、ああやって決めてくれたので。あそこからチームとしても落ち着いたという気がしました。(ラファエルシルバが入ってきて、1−0の状態が続いた。まだ難しい展開ではあったと思うんですが)そうですね。それまでもそんなに…ミスとかでしかピンチは作っていなかったので、そこは意識をかえることなく、しっかりと続ける感じでやっていました。

●今野泰幸

(腰ですか?)はい、打撲だと思います。動けなかったら判断してほしいということはハーフタイムで言っていました。でも歩くのが痛いし、ボールがこないところでもすごく痛みを感じていたので。それなら交代した方がいいかなと…まあ、そこは監督の判断だったと思います。(完封で結果を出して決勝に進めます)そうですね。もっと積極的に前半からいければよかったけど、結構新潟がそこまで点を獲りにこなかったというか。そんなにプレッシャーをかけてこなかったので。もっと前半からいきたかったですが、前半はあまり激しい試合にならず、でも後半はスペースがあいてきて、見ていていい攻撃もしていたし、勝つべくして勝ったのかなと思います。(監督は3−0くらいの気持ちでということを試合前に言っていたそうですが、そのわりに前半、エンジンがかからなかったですね)1失点してしまうとかなりきつくなるし、2点獲っても延長になるわけだから、まずはリスクマネージメントだとか失点を避けてという気持ちはみんなの中であったと思います。ヤットさんのゴールで1点をとってからは、ベンチから見ていてもみんな落ち着いてやれていたし、攻められた時にはしっかり中を固めて、センタリングに対して跳ね返せていたし、攻撃ではうまくスペースもつけていたので。いい戦いができたと思います。(代表選手がいない中で掴んだ決勝進出です)もちろん難しさはありましたし、本当に総力戦でしたけど、ガンバには本当にいい選手がたくさんいるし、ベンチメンバーも、ベンチに入っていない選手もたくさんいい選手がいますから。本当にみんなで戦っている感じがするし、健太さんのサッカーが本当にみんなに浸透している。健太さんは本当にみんなに万遍なく指導してくれているので、だからこういう結果に繋がっているんだと思います。

●遠藤保仁

(FKでのゴールシーン。駆け引きはどういう感じでした?)ボールは見えていなかったと思うので、そんなに大きな駆け引きもしていないんですが、壁をこえるまで殆ど見えてなかったはずなのでそれが大きかったと思います。打つコースは決めていましたし、壁をしっかり越えて、まずは枠にいくことを考えて蹴りました。イメージ通りではなかったけど入ったので良かったです。イメージとしてはもう少しきわどいコースを狙っていたんですけど。(久しぶりの直接FKですね)今シーズンも何度かチャンスがあって、枠内にいったり、バーに当たったりしていたので、どこかでとりたいという思いはあった。キッカーを務めているので直接も含めてセットプレーからより多くのゴールが生まれるようにとは思っていたので、もちろんゴールできてよかったし、ああいう位置でFKを与えたら、っていう心理が相手に働くような感じになれば更にいいと思うので。集中してこれから先も蹴っていきたい。(ビハインドの状況から勝ち切ったのはチームにとっても勢いになりますね)もちろん、勝ち切ったというのはチームにとってもいいことだし、これから大事な試合ばかりなので、そういう意味でも決勝にいけるのはいいモチベーションになる。1戦目のアウェイゴールも大きかったし、代表組、けが人がいない中でチーム全員がこうして結果を出していけるのはチームにとっても非常にプラスなこと。これからも勝ち続けながら成長して1つでも多くのタイトルを獲れるようにしていきたいです。

●藤春廣輝

(ゴールシーンについて)GKを抜く力もなかったので、あそこで打とうと思って狙いました。ぼてぼてでしたけどなんとか決まって良かったです。それより決勝にいけるので良かったです。(GKが飛び出していましたけどイメージどおりでした?)そうですね。まあ、晃太郎がなんかしてくれると思って走って…いいボールを出してくれたので、普通にコースを狙って入ればいいなと思って打ちました。ラッキーでした。(入りは重かったですね)そうですね。前の試合の方が入りはよかったし、元気のないサッカーだったので。ハーフタイムにも監督に言われましたし。静かに前半が終わったって言われたので、後半はしっかり入ろうと言われていて、いい場面も作れていたし、惜しいシーンもあったので、そういうところをもっと決めていれば楽にいけたのかなというのはありましたけど、勝ててよかった。(ヤットのゴールで楽になった?)そうですね。1点とれれば、守り切っても勝てるという状況だったのででかかったです。(1−0にしたあとはどういう共通理解をもっていましたか?)1−0でOKですけど、引いて守ると相手が楽になるだけなので。それは避けたいと思っていたのでバランスよくうまくいけるときは攻撃に、と思っていたし、守備陣はみんなでゼロでおさえようというのは話し合ってやれていたので、それはよかったです。

●岩下敬輔

(完封で締めくくる事が出来ました)それが一番の決勝への近道だと思っていたし、アウェイゴールも1つとれていたので、前の選手を信じながら、最悪1−0でいいと思っていた。90分の間に1点獲ることを願いつつ、1点獲られても、失点しまっては苦しくなるので、そこは一番拘っていたところだったので、完封で終われたのは良かったです。とにかくゼロに抑えないといけない試合だったし、あまりバランスを崩さずに、個で対応しながら、それにある程度サポートつきながらうまく守れていたと思います。アンラッキーで裏を一発狙われたりっていうのもありましたが、ああいうのも中途半端なプレーをするとああいうシーンになると思うので、そこはしっかり修正したい。(前半重く見えましたが、それは攻守のバランスの意識も働いてのことなんでしょうか)確かにバランスのところであまりリスクを背負っも…というのはありましたけど、ハルとかは俺のサイドだったので、タイミングがあえばどんどん行って良いよ、ということは言っていて、そのあとのところは僕もカバーできるところでもあったので。その中で結構高い位置をとれて、何回かオフサイドになっていましたけど、紙一重のチャンスは作っていたので。ただ右サイドのところではタカがそこまでビルドアップが得意な選手じゃないのはわかっているし、やっぱりそこをうまくジェソクはバランスとりながらやっていたので、なかなか厚みのある攻撃はできなかったとはいえ、ゼロに抑えながらというところは徹底してできていたので、そこは狙い通りでした。それが出来れば、うちにはやっとさんのようにチャンスがあれば仕留められるキッカーもいますしね。そういう意味では狙い通りの戦い、結果だったとは思います。(やっとのゴールでかなり楽になったと?)そうですね。あそこで相手が出て来なければいけないといけなくなったし、それにも対応しながら、パトの惜しいシーンや阿部のポストに当たったシーンも作れていたので、ああいうシーンで決められればもっと楽だったと思います。(チーム力で勝ち取った決勝進出ですね)本当にそれがあるから勝ち取れたと思っています。誰かがいるから、いないから、じゃなくて、いる選手で出ている選手の色を出して今日も戦えていたと思うので。(鹿島との決勝)1つタイトルをとることで自信になるし、連続で獲れる機会はなかなかない。そういうクラブにいることを自覚しながらプレーしたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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