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ガンバ大阪が2ndステージ初の完封勝利!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

8月22日に開催sれた、J1リーグ2ndステージ第8節『ガンバ大阪は清水エスパルス』戦。G大阪・長谷川健太監督の古巣との対戦、しかも清水時代に監督とコーチとして仕事をした清水の田坂和昭監督との『師弟対決』ということでも注目を集めたが、結果はG大阪が1−0で勝利。2ndステージに入ってから初の『完封』で、J1リーグでは3試合ぶりの白星を掴んだ。試合後のG大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

今日ホームで1-0というスコアでしたけど、勝ったことは本当に大きな結果だというふうに思っています。前節の反省を踏まえ、リスク管理や切り替えという話をして、試合に臨みました、今日は後ろにはまりすぎるくらい、なかなかうまくサイドバックがスムーズに攻撃に参加する場面は少なかったですけど、まずこういう形でしっかりと完封して勝ったというのは、今うちにとっては大きな結果だったと思います。こういう勝利を次にまた生かして、さらに、攻守のバランスを高めていければと思っています。本当に全選手が今日のゲーム勝利のためにファイトをして、ハードワークしてくれたと思います。明日、ACLで韓国に出発しますが、ACLでも非常に難しいゲームになると思いますが、全員の力を結束していい結果で帰って来れるようにしっかり戦っていきたいと思っています。

ー前回の対戦からエスパルスはメンバーも若干代わって、監督も代わりましたが一番変化を感じた部分はどこでしょうか?

こういう状況のなかで、非常に清水も球際であったり勝負に対して、前節もそうでしたけど、うちに対しても、最後の最後までゴールを目指す姿勢はあったと思います。監督が代わって大きくどこが変わったかというのはこれからだと思いますけど、そういう意味ではチームがひとつになって残留に向けてという気持ちを持って戦っているな、と。当たり前のことですが、今日もグラウンドで敵ながら非常にファイトしてるなと感じました。

ーパトリック選手がセカンドステージで5点目と調子を上げています。その要因をどのように考えていますか?

いや…もっと決めていればもっと楽に勝っていた試合がたくさんあるんですけど(笑)。今日はああいう形でキーパーを抜いて決めましたが、山形戦では外していたので、最後ゴールネットが揺れるまでは「入るかなぁ」という形で見ていました。ゴールネットが揺れて本当によかったと思っています(笑)。2点目を決めるチャンスもあったと思いますけど、パトリックも勝利のためにということで、今日ボールを取られた後の切り替えだったり、献身的なプレーをしてくれたと思っていますので、こういうプレーを続けて、また得点を重ねていって欲しいと思います。

ー倉田選手をトップ下に置いたシステムの手ごたえと評価を教えてください。

秋は非常にアグレッシブに攻守にわたってプレーしてくれていると思っています。もちろんパトリック、貴史という2トップの選択も当然あると思っていますし、秋は秋で。攻撃にタメを作ってくれたりとか、守備でディフェンスを助けたりということで、非常に押し込まれて、あるいは、相手に持たれている時間というのは、貴史とパトリックの2トップよりはだいぶ減ったのではないかな、と。攻撃に関しても早く2人で攻めるというシーンは減りましたけど、うまく後ろの流れを生かしながらという形で、倉田のトップ下はトップ下でいい形はあったと思います。先程も言いましたが、この形でオートマチックに動くようになれば、さらにチャンスは作っていけると思います。あとは秋ももっともっと得点に絡むプレーができてくれば、さらに貴史とパトリックの2トップ、プラス倉田のトップ下という形で、ゲームによっていろんな使い分けができるのではないかと思っています。

ー選手も最後までハードワークをして消耗しきった試合でした。今日の勝利はACLでもポジティブに働くと思われますか?

もちろんそうだと思います。7月からなかなか先制して勝ちきれないゲームが続いていたなかで、今日も何度か危ない場面もありましたけど、しっかりと先制して、0点に抑えて勝ち切ったというように、勝利の方程式をしっかりと体現できたのは大きかったと思います。ひとつ、こういう結果が出ることで、選手も自信をもって次の試合に望むことができると思います。陽介も最後入って非常にアグレッシブにプレーしてくれたと思いますし、そういう意味ではガンバらしくない勝ち方でしたが、こういう結果がまたチームに好循環を生んでくれると思っています。

●DF金正也

(あれだけクロスを入れられながら弾き返せたという意味では自信になった試合になったのでは?)いや、でも、コミュニケーション不足で危ない場面もあったしそこは声とか、最初のポジショニングで防げたシーンだったので。そういう意味では僕たちのポジショニングがあまりよくなかったと感じた部分もありました。(コミュニケーション不足というのは?)疲れているというのもあるし、声の部分もあるし、最初のポジショニングで「ここにくるだろうな」と思っている事は声に出して言わなければ分からないのに、思っているだけで言わず、「ああ、やっぱりきてくれなかった」では遅いですからね。その物足りなさで、ちょっとした隙をつかれたり、ポジショニングがズレるということもありました。(それはセンターバック同士? サイドバックとの関係で?)どっちもですね。(リバプレート戦でああいった形で交代になって、今日の試合でチャンスをもらっただけにかなり緊張感をもって試合に入ったところもありましたか?)緊張感はありました。チームも勝っていないし、相手も勝たないといけない状況で、うちもそうだったので。でもやるだけだったし、みんながそういう気持ちで緊張感をもって最後まで戦っていたとは思います。なんかここ最近は癖みたいな感じがあったというか…このまま普通にやっていたらいつも通りにいけるでしょ、的な空気があったから。でも今日は最後までそうじゃなかった。今まで通りじゃダメだっていう…去年は去年で、今年はまたしっかりやっていかないと勝てないということをみんなが意識していたし、やらなきゃいけないことは全員が言い続けてやる、ということをしっかり出来ていたと思います。

●DF米倉恒貴

(最後まで走り切って、守り切って、出し切った完封勝利でした)今日は本当に…今週は試合に入るまでに監督にもいろいろと言われたので、今日は本当に守備だけ意識をして、バランスをとって、リスクがかかるときは攻撃は控えて守備にということで、バランスをとることからやろうと思って試合に入りました。勝てたので良かったです。(2ndステージでは初めての完封でした)そうですね。両サイドとも攻撃的にいくのもありですが、左右がバランスをとることで失点もなくなったし、結果的にはよかったのかなと思います。(今日はかなり球際にも、人にも強くいっているなというのが伝わってきました)そうですね。気持ちで負けたくなかったので。攻撃はある程度捨てて、チームのためにプレーしました。(相手のデューク選手について)でかかったですね。何回か吹っ飛ばされて…体の当たり方をミスったら危なかったですね。入れ替わったこともあったし。でも強いといってもいいほどではないし個人的にはそこまで怖いと思う相手でもなかった。あとは気持ちで戦いました。絶対に守備で負けないということをベースに試合に入ったので攻撃にいけないストレスみたいなものも多少はありましたけど、まずはチームのために、ここから先、またまずはゼロでという意識で戦うところから攻撃の部分をプラスアルファで積み上げていければと思います。本当に今日はゼロで終われて良かったです。

●FW宇佐美貴史

(アシストのシーンは?)ラインをみつつ、タイミングをみながら出すだけだったので。ああいう低いところから2本のパスでゴール前までもっていけるのはいい形だったと思います。まだまだ僕も含めてですけど、チャンスはたくさんあるので、もっともっとチームとして増やせていければ、とは思います。2〜3点ととれればいいし、僕としては中盤におりていろんなところに顔を出しながら…ビルドアップの時に攻撃に入るとか、守備もそうですし、ゴールから遠目の所からどう作っていくかというところはやれているので、あとは最後のところが決まれば、というところですね。今日はアシスト1ありましたけど、アシストだけじゃなく起点になるようなドリブルなり、パスなり、自分でしとめにいくことだったり…あと自分が決めるところの質があがってきたら、より、MFとしての資質は上がるはず。FWのポジションで点を取れるというのは当たり前のことなので、いまは中盤でいいパスを出して、チームのためにどう戦うかというところに課題に置いてやっているので。それはサイドのポジションをする上で必要なことだと思いますしね。あとはシュートの質があがってこれば、数字も1つ2つとあがってくるんじゃないかと思いますが、そのへんは手応えも感じているので続けてやっていきたいと思います。ただ…ひとつ降りた中でのプレーの幅は増やしていかないといけないけど、得点はあきらめるつもりはないので。その中でも点を獲れる自分でいたいし…でもその感覚は掴めつつあるので。なるべく早く、中盤でおりながら得点をとりたいと思います。獲れる確率が低い方で、獲れる選手になることを求める方が成長に繋がるはずなので。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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