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ガンバ大阪が先制するも、川崎に追いつかれ、勝ち点を分ける。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J1リーグ12節、ガンバ大阪VS川崎フロンターレ戦は1-1でドロー。前半、川崎の3倍となる15本ものシュートを放ち、圧倒的にゲームを攻勢に進めたG大阪が、FW宇佐美貴史のゴールで先制するも、やや守勢にまわった終盤に追いつかれ、1−1で試合を終えた。試合後のガンバ大阪監督・選手のコメントをお届けする。

●ガンバ大阪/長谷川健太監督

試合内容は非常に良かったと思っています。前半の入りからアグレッシブに選手全員が戦ってくれて、気持ちを出して先制をしてくれて、2点目が入っていたら、という『たられば』の話ですが、とれなくて、結局はああいった展開になった。川崎も決定力があるチームだし、1発決められてしまったのは致し方ない部分でもあるんですが、ただ試合内容では、ホームでホームらしい試合内容を選手がみせてくれたのは大きな収穫だったと思っています。ここまで連戦でなかなかアップテンポな試合をできなかったですから。最後は疲れもあってオープンな展開になりあしたし、宇佐美あたりは、めずらしく全身つったという話をしていて、そのへんは代表候補合宿の疲れも若干あったのかなという感じはしています。中3日ありますのでしっかり切り替えて、アウェイの試合に向けてしっかり準備していきたいと思います。

ー宇佐美選手の交代の際、最初、パトリック選手を交代させようと準備しているように見えましたが。急遽宇佐美選手に代えたということでしょうか。

はい、自分で身体がつったので代えてください、ということで…珍しい感じだったので。パトも少しばてていたので前線フレッシュな選手を入れて、もう一度と思っていたのですが。

ー高い位置をとれた前半という意味ではACLに向けて手応えを感じるところだったのでは?

はい、入りっていう部分に関しては、今シーズン一番の出来だったと思います。こういう試合を続けていけるように、またトレーニングしていきたいと思っています。

ー守備の部分で最後失点するシーン以外は良かったと思いますが、守備で良かったと感じていらっしゃるところは?

相手の背後を抜け出して来た選手への対応というのは、全員がアラートにやってくれたんじゃないかと思っています。ただ、終盤ゴール前でのよせというか、いい形で放り込まれてしまうと、危険なボールが入ってしまうので、あの辺、最後までやりきれればよかったですが、逆に2点目を先に獲れていれば言う事のない試合だったと思います。ただ、勝ち点1をポジティブにとらえたいと思います。

ー米倉選手が復帰しましたが、彼の復帰はチームにとって大きかったと思いますが。

90分もつかどうか、心配はしていましたが、最後までしっかりとプレーしてくれたので、これで大きなリバウンドがなければ、また戦列に復帰してくれると思います。

●MF遠藤保仁

前半はうちの試合で後半は相手の試合かな、と。どっちが勝ってもおかしくない試合でしたが、前半の内容からすればもう1〜2点とれれば問題なかったと思います。ただ、後半もボックス内から打たれたシュートは結局1〜2本しかないので。我慢しながらよくやっていたと思います。もったいないと言えばもったいないけど、1点獲られてもおかしくない、という試合ではありました。

ー前半はこれまでの試合で一番攻撃のバリエーションを多く作り出した。それは収穫ですか?

前半に関しては特にハル(藤春廣輝)のサイドから4本くらいチャンスがありましたし、高い位置からボールも獲れていたので前半の内容はよかったと思います。でも後半は、高い位置でボールがとれなかったし、ビルドアップの時点でミスがあって、相手のエリアで自分たちが押し込みながらプレーするというのが少し欠けていた。ある程度、低い位置でボールが動いていたので、前に運ぶのが難しい状況だったと思いますが、それでももう少し相手のエリアで試合が出来れば良かった。

ーFKも惜しいシーンがありました。精度はかなりあがっているように見えますが。

決め切りたかったですけどね。まあ、インパクトの瞬間に少し高くあがってしまったので打ち切れなかったけど、狙っているコースは悪くないし、もう少し練習をしてああいう場'''面でもしっかり決めれるようにしたいです。

ー浦和と勝ち点差が開きましたが。

もちろん1stステージでも優勝がするのが第一の目標ですが、短期決戦で残り少なくなってきたからといって慌ててやる必要もない。少しでも浦和との差を縮められるようにしていきたいですね。

●MF阿部浩之

(たくさんシュートを打ちましたが、どれか一本決めたかったですね?)いやぁ…ダメですね。でも個人的にはシュートまでいけてるのはいいことですし、あそこをしっかり決めていればもう少し楽な試合展開になったと思うので。でもそこに顔を出せているのはプラスですし、セカンドも拾えていたので、後はシュートを決めるだけ。そこを目指してやりたいと思います。

ー圧倒的な前半でした。攻撃も勢いを感じました。

攻撃が良かったというよりは守備がよかったんだと思います。結構、前線からしっかりはめて、高い位置でとれていたので。あれを後半も出来れば良かったですが、やっぱりハーフタイムとかがあると流れが変わってしまうというか。自分たちのやり方もかわってくるし、相手も修正してくるので。逆に後半は守備が良くなかったと思います。

ー前半を見る限りでは今季もっともハーフカウンターが決まっているようにみえました。手応えは?

やっぱり押し込まれたら苦しいし、相手もうまいので、前から前からどんどんいってはめれるのは理想だし、とってすぐにゴール前というのも理想。それが前半はできていたな、と。これをどのチーム相手にもやれるようになれば相手も嫌だし、うちも楽な展開になると思います。

ー後半、途中から割り切ってブロックを作って守備をするという感じでしたが。

それでも良かったんですけど、引いている時間が少しながかったな、と。あれはあれでリスクあるししんどいというか、攻撃に出て行く距離も長くなるし、相手も待っている状況なので。あまりよくないかなっていうのは個人的には思いました。

●DF米倉恒貴

ー守備をしっかりしながら攻撃も高い位置をとってやれてた。復帰戦としては手応えを感じられるものだったのでは?

そうですね。とりあえず今日はコンディションと試合感を戻すという意識でやっていたので、そういう意味では川崎相手にすごくよかったかな、とは思います。ただ結果として勝てなかったので、そこは悔しいですが。

ーケガあけですがインターバルも短い中でACLの試合が待ち受けます。

そうですね。どっちかというと休みたくないので。試合をしているほうが身体も動くしフィーリングもよくなってくるので中3日は問題ないと思います。

●FW宇佐美貴史

(全身がつっての交代だったということですが)全身っていうか…一カ所じゃなくて全身にきた感じがしたので。あの時間帯でつるなんて今までなかったし、次すぐにまた、大事な試合もあるし、自分が出てるよりもこういう状態なら違う選手が出た方がいいと思ったので自分からやめました。(前半の動きの切れを見ている限り代表の疲れがあるという感じでもなかったようにみえましたが)そうですね。身体が重いということもなかったし、自分でもちょっとびっくりしたのはありました。次もまた続くのでここで無理して長引くようなことが起きてからでは遅いと思ったし、100%でボールを追ったり、守備ができないなら交代した方がいいと思ったので。

ー試合の流れとしては圧倒的な前半がありながら1点で終わった。そこに悔しさが残ったのでは?

そうですね。もっともっと決められる前半だったと思うし、2−0、3−0にできる試合内容だったのにそれができず、後半ちょっとペースをもっていかれたので。もったいない試合をしたという感じ。勝ち点を落としたという感じはすごくします。

ー前半すごく簡単にシュートまでもっていけていた。身体が切れていたのか、相手が甘いなって感じたのか。

久しぶりに1週間あいたのでそういう意味では身体の疲労はかなり楽になっているなっていうのは感じていましたけど、相手の守備もそんなに強くなかったし、両方だと思います。そういう中で、ちょっと変だなって感じて交代しましたが、もう少し僕もパワーをもって90分を戦えれば、もう少し違ったと思います。

ー前半あれだけ攻撃のバリエーションが作れたのは収穫ですか。

そうですね。最後の1本とか、最後の1シュートというところまではだいぶ持って行けていたし、そこの最後のクオリティがなかなか出せていなかったのでこういう引き分けに終わったと思います。相手はボール保持するのも巧かったですけど、特に失点シーン以外はそんなにやられるシーンはなかったし、だからこそ、勝って試合を締めることができたんじゃないかなと思うのでもったいないなとは思います。

ーゴールシーンについて。

こぼれてきたので、アウトでトラップして左でシュートはイメージしていましたし、こぼれてきてからはイメージ通りでした。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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