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ホークス斉藤和巳4軍監督、初采配は圧勝!「いろいろ勉強に」

田尻耕太郎スポーツライター
試合後に3・4軍を応援する「若鷹応援隊」の結成式が行われ、挨拶した斉藤4軍監督

 昨年、球界で初めてホークスが導入した4軍。2年目の今季は新たに斉藤和巳4軍監督が率いる体制となり、3月20日、タマスタ筑後での九州アジアリーグ交流戦・火の国サラマンダーズ戦で今季初試合を行った。

 初采配となった斉藤4軍監督へ白星をプレゼントする猛打ショー。試合後はウイニングボールを手渡され、照れくさそうな表情を浮かべていた。

【3月20日 ホークス4軍交流戦 タマスタ筑後】

火の国    000002100 3

ソフトバンク 54003030× 15

【バッテリー】

(火)吉村、波多野、遠藤、神田、山田、丹――中川

(ソ)板東、小林、佐藤宏――谷川原、加藤晴

【本塁打】

なし

【スタメン】

(火)6今津 4大河 8モタ 3山本 2中川 7有田 5オマール D阪口 9ペ・ミンス

(ソ)6西尾 D野村勇 9オスーナ 5佐倉 2谷川原 7石塚 8重松 3佐久間 4山下

【得点経過】

1回裏【ソ】谷川原、石塚が連続適時打。重松と佐久間が連続適時二塁打(ソ5-0火)

重松凱人は2安打4打点の活躍
重松凱人は2安打4打点の活躍

2回裏【ソ】谷川原が押し出し四球を選ぶ。重松が3点三塁打(ソ9-0火)

5回裏【ソ】西尾が押し出し四球を選ぶ。暴投2つで追加点。この回は無安打で3点(ソ12-0火)

6回表【火】元NPB選手、モタ(元巨人)適時二塁打、中川(元オリックス)タイムリー(ソ12-2火)

7回表【火】ファハルド三塁打の後、三塁手・佐倉のタイムリー失策で1点(ソ12-3火)

7回裏【ソ】大泉適時二塁打、谷川原の遊撃適時内野安打などで追加点(ソ15-3火)

斉藤和巳4軍監督、試合後インタビュー

ウイニングボールを手に。
ウイニングボールを手に。

――初陣の率直な感想を。

「試合展開もね、もう序盤に打者がたくさん点取ってくれたんで、ベンチの方はすごく楽をさせてもらった部分もありますけど、それでも監督としていくら4軍でもいろいろ考えないといけないことがたくさんある。それはもう実感したんで、他のコーチの方にいろいろ助けてもらいながら、初戦を終えたかな。いろいろ勉強になるとこもたくさんあるかなと思います」

――1軍投手コーチと違う緊張感も?

「昨年はピッチャーのところだけを気にして見ていれば良かったんで、今年に関してはピッチャーのところも含めてですけど、打線の作戦であったり、守ってるときも守備位置だったりね、そういったところもいろいろと確認しないといけないところもありますし。先のことを考えながらやっていかないといけない部分もあるし、ある程度この3軍4軍の選手はいろいろ経験をさせないといけないところもあるので、セオリーっていうのを度外視してやっていかないといけない部分もある。そのあたりをコーチの方に助けてもらいながらやっていけたらなと思いますけどね」

――先発は板東だった。野手は11安打15得点で目立った選手は?

「今日は結構みんな積極的にバットも振れてたし、終わってからのミーティングでも、こういう大差になるとそういう(雑になる)気持ちっていうのは生まれやすくなってしまうので、僅差であっても、接戦の場面でもそういう気持ちは忘れずに、失敗を恐れず、やっていこうという話をしたんで。今日はみんないい形で攻撃であったりね。1軍クラスのピッチャーは抑えて当たり前ですし、その後出ていった小林珠維、佐藤宏樹は、しっかり自分のボールを投げきってたんで、そういうのを接戦の緊迫した場面でもこの三、四軍とはいえ自分の持ち味を出してもらいたいなとは思います」

――ちなみに今日ウイニングボールは?

「一応ねマネージャーが持っててくれたんで、はい」

――感慨深い?

「そうですね(笑)僕は全然気にはしてなかったんですけど、マネージャーが選手から受け取ってくれてという流れを考えると、自分以上に周りの選手であったりスタッフ、コーチが気にしてくれたんだなというふうに思いましたけどね」

――これから4軍をどんな組織に?

「まあまだ未熟なところがある選手たち。失敗を恐れての失敗では先がない。精一杯やりながら。それに対して準備ができたかが大事。失敗したことに関しては、そこで学び、いい結果出たらね、そこで自信つけていってくれたらいいと思いますし、そういったところは僕ら監督・コーチもね、いろいろ勉強しながら、毎日選手の動きを見ながらというところもあるので。1人1人の選手がどれだけ成長していってくれるのかっていうのを楽しみに彼らと一緒にもがきたいと思います」

板東湧梧、開幕ローテ争いで一歩後退か

板東湧梧
板東湧梧

 1軍の開幕ローテ入りを狙っている板東湧梧投手が先発。90球程度が予定されていた中で、6回1/3で85球を投げて、5安打5三振2四死球3失点(自責2)の結果だった。

 前日19日には開幕ローテ争いをしている石川柊太投手が同じ火の国サラマンダーズを相手に7回78球1安打無四球無失点と完ぺきな投球をしていた。火の国はこの2試合で打線の組み方を変えており、20日の方がベストメンバーに近かったが、それを差し引いても板東としてはアピール成功とは言えない投球内容だった。

 板東も「良くはないです。だけど、自分の現状で出来ることをやろうという中で、こういう結果でした」と悔しげに振り返った。ただ「兆しはずっと見えている。悲観視するところはない。もちろん今日の結果だけを見るとよくはないんですけど、兆し自体はないこともない」と前を向いた。

(※写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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