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ホークス大津亮介「普通の人はやらない」目から鱗。オリックス山岡泰輔に学び先発ローテ定着目指す

田尻耕太郎スポーツライター
沖縄での自主トレを終えて筑後に戻ってきた大津(筆者撮影)

 今季プロ2年目で先発ローテの座に挑む福岡ソフトバンクホークス・大津亮介投手が、オリックス・山岡泰輔投手と一緒に行った自主トレでの“学び”や“収穫”などを話してくれた。

 大津はルーキーだった昨季、すべてリリーフで46試合に登板して2勝0敗13ホールド、防御率2.43の成績を残した。今季は中継ぎから先発転向を決意している。

 身長175cmで体重63kgの超軽量選手。かねてより同タイプの山岡(172cm、68kg)を「憧れの投手」と公言していた。昨季中盤頃、元オリックスで現ソフトバンクの瓜野純嗣ブルペン捕手を通じて山岡を紹介してもらい、その場で自主トレ同行についてもお願いをしていた。

「(社会人チームの先輩にあたる)大貫(晋一=DeNA)さんのところにも行こうと思っていたのですが、スケジュールが合わなくて。そうしたら山岡さんから『どうする?』と連絡を頂けて、参加することができました」

 約2週間ほど沖縄県内で練習を行った。

「間違いなく行ってよかったなって思いました。僕と似た考え方をされてると思っていましたが、いざ練習に参加させてもらうと僕がやったことないトレーニングもありました。なぜこのトレーニングしてるんですかって訊ねると、すぐにその意味を全部返してくれるんです」

 それは一体、どのようなものだったのか――。

「簡単に言うと、普通の人がやらないトレーニングでした。スクワットにしても、絶対こんな体勢でしないだろうみたいな、トレーニングしてもパルクール(障害物を跳び越えていく体操の新種目で、フランスの軍隊訓練から発展したもの)にしても」

細身の選手が重要視すべきものとは

 山岡の教えによれば、体の大きな選手ならば高重量を持つトレーニングなどで体を強くしてパフォーマンス力を上げることもできるが、細身の選手の場合は自分の体をどれだけ自在に操れるかがとても重要になるとのこと。そのためには体幹部分の強化と人並み以上のバランス感覚を養う必要性がある。たとえばスクワットでも両足先を外側に目一杯開き、しゃがむときにお尻を後方に下げずに真下にスッと落とすことで効率的に体幹が鍛えられるのだという。

 それ以外にも中継ぎと先発で行うべきトレーニング方法、年齢を重ねる中での今後への課題など、山岡から様々の知識を惜しみなく伝授されたという。

 2月1日からの春季キャンプは主力のA組からのスタートが決まっている。

「開幕ローテーションを目指し、そして1年間戦うためにたくさん知識を勉強してやってきたんで、何とか怪我せずにアピールして、開幕ローテーションに入りたい」

 また、小久保裕紀監督はキャンプについて「例年より早めに練習を始めて、(全体)練習は早めに終わる」という方針を打ち出している。昨秋同様に各選手が自身で考える個人練習の時間が設けられるとみられる。「もうやることは決めています」。大津に迷いはない。明確な目標と進むべき道を見つけた選手は驚くほどのスピードで成長を遂げていくもの。2年目右腕の今季が楽しみだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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