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雪の福岡で誓う、ホークス中村晃「やること変わらない」山川穂高の加入で一塁手争い

田尻耕太郎スポーツライター
雪が舞う中でランニングをする中村晃(筆者撮影)

 今季でプロ17年目を迎える福岡ソフトバンクホークス・中村晃外野手(34)が23日、福岡市の福工大野球場(FITスタジアム)での自主トレを公開した。

 この日は強い寒気が流れ込んだ影響で九州地方も雪模様。そのため練習スケジュールが一部変更されノックや打撃練習は室内で行われたものの、ランニングメニューは降雪をものともせず屋外グラウンドを駆けた。

「シーズンにしっかり入っていけるように取り組んでいる。やることは毎年そんなに変わらない。しっかり準備して、まずはキャンプに入っていけるようにという感じでやっています」

 昨季は136試合に出場し、打率.274、5本塁打、37打点の成績を残した。2年ぶりに規定打席に到達し140安打をマーク。140安打以上を記録したのは2018年シーズン以来だった。昨年12月の契約更改時には「数字的にはいいとは言えないけど、試合数も136出られたし、体調を崩しても、ここ数年ではまずまずの方」と語り、「久々に1番も打たせてもらい、しっかりスタメンで出られた。個人的には充実したシーズンだった」とも振り返っていた。また、一塁の守備では4年連続4度目のゴールデングラブ賞にも輝いた。

山川加入でどうなるホークス一塁手?

 しかしこのオフ、チームは一塁手が定位置の山川穂高内野手を獲得。右の大砲は打線の補強ポイントであり、中村晃は一見すれば厳しい立場に追い込まれて臨む2024年シーズンとなる。

「山川君はファーストがメインになるけど、僕はこれまでも一塁だけじゃなく外野も守るという感じだったので、自分がやること自体は変わらない。ファーストを譲らないという気持ちもありますけど、どちらでも試合に出られるのが僕の持ち味でもある。しっかり試合に出ること。試合に出れば数字はついてくると思います」

 実績も経験も豊富なベテランは、普段どおり闘志を内に秘めていた。また、「守備もそうですけど、やっぱり打つ方でしっかり成績を残さないと試合には出られない。やっぱりバッターなので打たないと。守備は守備という感じで、別物として考えていきたい」と打撃向上に意欲を示した。一昨年のシーズン後半から取り組む「以前は手から動かしていたのを、下半身から徐々に回していくようなイメージ」ですり足で打つフォームを継続しつつ、「やっていくうちにシンプルな形になってきた」と自身の成長を実感している。

節目の1500安打も視野に

「基本は去年のような形だけど上積みを。全体的に成績を上げたいし、打撃タイトルをとるという気持ちは毎年もっています」

 自己記録のシーズン176安打超えを誓うとともに、残り113本に迫る通算1500安打達成についても「1500というと達成者も少ない(過去135人)。そこは目指したい」と意欲を見せた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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