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ホークス大野稼頭央19歳が和田毅42歳に弟子入り直訴、即快諾!「先発で勝負したい」

田尻耕太郎スポーツライター
大野稼頭央投手(筆者撮影)

 19歳左腕が42歳左腕に弟子入りする。

 ソフトバンク・大野稼頭央投手が12日、福岡県筑後市の球団施設「HAWKSベースボールパーク筑後」で契約更改に臨み、現状維持の年俸500万円(推定)でサインをした。

プロ入り後初めての契約更改を終えた直後(球団提供)
プロ入り後初めての契約更改を終えた直後(球団提供)

 その後の取材の中で、来年1月に行う自主トレはチームの大先輩である和田毅投手に同行させてもらうことを明かした。

1年目は怪我無く完走

 大野は鹿児島・奄美大島出身で、地元大島高校を甲子園に導く活躍を見せるなどしてアマ時代から注目を集めた。昨年ドラフト会議でソフトバンクから4位指名を受けてプロ入り。1年目だった今季は1・2軍を通じて公式戦出場はなかったものの3・4軍で多くの実戦経験を積んだ。非公式戦では45試合に登板して1勝0敗1セーブ、防御率1.38の成績を残した。

躍動感あるフォームが特徴(筆者撮影)
躍動感あるフォームが特徴(筆者撮影)

「1年間を通して今季は中継ぎで投げてきて、3・4軍でシーズンを投げきれた。経験としてもすごく大きかった」と話し、ストレートの精度向上などに手ごたえを感じたという一方で「投げることに集中しすぎて体づくりやトレーニングに特化できなかった。このオフは来季に向けて、体づくりをやっていきたい」と反省点を口にした。

 大野はドラフト指名直後から、あこがれの存在として和田の名前を度々口にしていた。

「和田さんの自主トレに行きたいというのはずっと前から思っていて、今季終盤に和田さんが筑後に練習に来たタイミングで直接お願いをしてすぐに快諾していただきました。ずっと先発で、あの年齢まで投げられている。どういう風に取り組んできたのか。技術的なこともそうだし、トレーニングや食事面も学びたいです」

 今季のソフトバンクで、怪我なく完走した高卒1年目投手は大野だけだった。大きな自信を得た一方で、今後は先発として勝負をしていきたいと考えたときには、技術だけでなく体力面が不足していることも痛感したという。

和田自主トレは毎年大所帯

「先発で勝負したいというのは、契約更改の中でも球団にお伝えしました。先発で回れる体づくりをしないといけない」

 また、その中で技術面での上積みについても「球速的にもまだまだ劣っているし、それ以上に試合序盤や大事な場面でフォアボールやボールが先行してしまうのが多かった印象があります。制球面の改善と球速アップを課題にしたい」と口にした。

 和田の自主トレは例年大所帯となる。今年1月はソフトバンクから板東湧梧投手や藤井皓哉投手らも参加していた。また、来年1月に向けては、ロッテの小島和哉投手が参加を志願していると報じられている。和田だけでなく、球界の主戦級の先輩投手たちから数えきれないほどの刺激を受けられる宝物のような日々になりそうだ。

 大野稼頭央(おおの・かずお)。投手。背番号60。龍郷町立戸口小学校(龍郷野球スポーツ少年団・軟式)~龍郷町立龍南中学校(龍郷合同)~鹿児島県立大島高校。左投左打。鹿児島出身。175cm、66kg。

 高校時代にMAX146キロを計測。腕の振りが素晴らしく、ストレートは球速以上にキレがある。体の線が細いながらポテンシャルが高く、非常に伸びしろを感じさせる本格派左腕。

 特技はバレーボール。目標とする選手は和田毅投手。好きな食べ物はチーズケーキ。嫌いな食べ物はなし。好きな言葉は全力投球。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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