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ソフトバンク、契約更改初日に保留者も。D1位イヒネは現状維持サイン「大人として扱われている感じ」

田尻耕太郎スポーツライター
契約更改後に取材に臨んだイヒネ・イツア内野手(球団提供)

 ソフトバンクの契約更改が8日、スタートした。初日は若手野手5名がキャンプ地の宮崎で来季契約交渉に臨んだ。イヒネ・イツア内野手、渡邉陸捕手、牧原巧汰捕手、笹川吉康外野手の4名はサイン。水谷瞬外野手は保留した。水谷外野手については球団広報から「本人がもう少し考える時間が欲しいと話していた」と説明があった。

 ドラフト1位ルーキーだったイヒネ内野手は初の契約更改に臨み、現状維持の年俸800万円でサインした(金額は推定。以下も同様)。「(契約更改は)自分がいざやってみるとこういう感じなんだなと思いました。もう大人としてしっかり扱われているんだなという感じでした」と初々しく振り返った。

序盤は怪我も、夏場以降は実戦経験を積む

 プロ1年目だった今季は1月の新人合同自主トレ期間中に右膝を痛めて出遅れ、6月末に4軍戦でようやく初実戦を果たしたが、直後の7月7日の4軍戦(大分B-リングス戦=タマスタ筑後)の守備機会の際に、左母指(親指の付け根)を骨折。「二遊間の打球を追いかけた際に体勢を崩してしまって、左手を(地面に)ついてしまった」(イヒネ)。左母指基節骨接合術を受けて当初は復帰まで3~4カ月を見込まれていたが、2か月足らずに実戦に戻って9月12日の4軍戦(徳島インディゴソックス戦=タマスタ筑後)では“プロ初本塁打”もマークした。

 今季は、1、2軍公式戦出場はなく、非公式戦は22試合に出場して打率.234、2本塁打、6打点、6盗塁、出塁率.410の成績だった。

 イヒネは契約更改を終えた後に取材に応じ、「球団からは来年もしっかり取り組んでやってほしいという話をされました。今季は怪我も多くてリハビリからのスタートだったけど、最後の方は試合に出してもらえた。タメになる1年目になったと思います」と話した。今後に向けては「走攻守で一回り大きくなっていきたい」と目標を口にし、さらに秋季キャンプ後の参加が内定している台湾で開催されるアジア・ウインターリーグ・ベースボールについても「試合の中で学びたいというか、自分の中で練習してきたことを試していきたい」と意気込んだ。

●渡邉陸捕手(850万→830万)

渡邉陸捕手(球団提供)
渡邉陸捕手(球団提供)

「自分自身にも期待したシーズンだったので、すごく悔しい思いをしたシーズンだった。その中でもいろんなものを試せた。自分の良いところや悪いところが明確になった。キャッチャーのスローイングの部分はすごく自信がついた。自分のスタイルが見つかったシーズンだった。まだ課題はいっぱいありますが」

●牧原巧汰捕手(550万→550万)

牧原巧汰捕手(球団提供)
牧原巧汰捕手(球団提供)

「3年目、悔しいシーズンだったというのが一番。自分が春に思い描いた数字は残せなかった。調子の波が激しかった平均値を高くすることを目標にしたい。このキャンプでは確率を上げることを考えています。守備も送球の確率。ボールを逸らさないブロッキングの確率。バッティングなら打率、あとは空振り率を減らすとか。そこを重点的にやっています」

●笹川吉康外野手(620万→640万)

笹川吉康外野手(球団提供)
笹川吉康外野手(球団提供)

「結果を求められる年齢にもなっている。1、2年目と違って、結果を出さないといけないと考えて野球をした1年間だったかなと思います。ただ同級生の井上、ルーキーの生海さんは1軍を経験した。ライバル視じゃないけど、悔しい思いはありました。僕は長打力を求められている。コンタクトを今年の課題でやってきた。ゆくゆくはコンタクトしつつ、フルスイングもしてホームランや長打も打てるように。(アップ提示については)僕的にはダウンかなと思った。1軍にも出ていない。それでも微増。ありがたいです」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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