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元巨人・平間に3冠王の可能性。NPB復帰への思いは?【独立・九州アジアリーグ】

田尻耕太郎スポーツライター
昨年まで巨人でプレー。北九州下関フェニックスの平間隼人(筆者撮影)

 リーグ初の「打撃3冠王」誕生の可能性も少なからず残っている。

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」は火の国サラマンダーズがリーグ3連覇をすでに決めており、シーズンは佳境に入っている。終盤戦になると個人タイトル争いも注目されるところ。

 北九州下関フェニックスで今季からプレーしている平間隼人内野手がリーグ打撃ランキングの各部門で上位に名前を連ねている。

 打率.367(3位)、7本塁打(2位)、45打点(4位タイ)。現時点では“無冠”だが、残り試合の成績次第では逆転タイトルも可能な位置だ。なお、安打数95は1位タイ、得点76は単独1位で、33盗塁と出塁率.456ではリーグ2位につけている。

巨人では一軍1試合に出場

 平間は昨年まで読売ジャイアンツ(巨人)でプレーしていた選手だ。

 1996年12月16日生まれの26歳。右投左打の内野手。徳島県出身で、球歴は鳴門渦潮高校~徳島インディゴソックス~新田電設(軟式野球)~徳島インディゴソックス、そして2019年育成ドラフト1位で巨人に入団した。

 四国IL・徳島に高卒で入団した際には1年目から規定打席未到達ながら打率3割超をマーク。2017年オフに一旦は退団して電気工事士として就職するも、2018年8月に復帰していた。徳島では2019年シーズンに43盗塁(69試合出場)で盗塁王のタイトルを獲得した。

 巨人では入団2年目の2021年シーズン、開幕直後のイースタン・リーグで打撃をアピールし「3・4月度ファーム月間MVP」に輝くと、同年6月に支配下登録され、6月22日の横浜DeNAベイスターズ戦(石川県立野球場)で代走出場して一軍デビューを飾った。

 だが、結果的に一軍出場はこの1試合のみ。オフには再び育成選手に戻り、2022年シーズンはイースタン・リーグで72試合に出場するも打率.209、3本塁打、9打点、3盗塁と振るわず、オフに戦力外通告を受け、昨年12月に北九州下関フェニックスへ入団した。

 現状や打撃タイトルへの思い、そしてNPB復帰への思いなどをインタビューで聞いた。

平間に聞く「トライアウト受験は?」

――今年からフェニックスでプレー。ここまでの成績について。

「思ってたより成績を残せたかなと思います。今はヒット95本なので、シーズン100安打は達成したいです。また、チームメイトの大河(元横浜DeNAベイスターズ)が同じ本数で並んでいるので、一緒に100安打打とうなという話をしています」

――ランキング各部門で上位。3冠王の可能性も。

「そこはそんなに目指してはないです。結果論かなと。狙ってはないですね」

――NPB復帰への思いは?

「心の中には持っていますけど、実際難しいとは思っています。松本直晃コーチ(投手兼任・元埼玉西武ライオンズ)とか中村(道大郎)キャプテンともともと面識があって(フェニックスに)呼んでくれたんです。チームの助けになればと思って来ました。だからチームに貢献することだけをずっと考えてやっています」

――恩返しみたいな気持ち?

「自分が成績を残せばチームのためになると思いますし」

――このオフ、NPB復帰を目指して12球団合同トライアウトを受験する考えは?

「うーん、考え中です。簡単に戻れるとは思ってないので。ただ、今後も何か野球に携わりながらやっていきたい気持ちはあります。教えるのもそう。その意味でも、今のフェニックスの若い選手に示していくには、成績を残さないといけないという思いやプレッシャーはあります。それがモチベーションになっている部分もあります」

――もともと俊足は武器。今季は長打も出ていますが?

「そういうタイプの打者じゃないように見られていましたけど、打撃はもともと好きだし、振るのは好き。思い切って振れる、フェニックスのチームスタイルにも合っていたと思うんです。(リーグ本塁打王が元巨人・モタの9本)モタには負けたくないと思ってやっていますけど、すごいですね(苦笑)」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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