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チーム初の開幕投手がシーズン途中で引退。北九州下関フェニックス・本野一哉「このまま続けるのは厳しい」

田尻耕太郎スポーツライター
昨年3月の開幕戦時に、筆者撮影

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の北九州下関フェニックスは4日、本野一哉投手の任意引退による退団を発表した。

 本野は大阪府出身の28歳。金光大阪高校から帝京大学、大和高田クラブ、琉球ブルーオーシャンズ、シンバネットワークアーマンズBCを経て、昨年より福岡北九州フェニックス(当時球団名)に入団。創設1年目からプレーをした。

 チームとして初の公式戦となる2022年3月20日、北九州市民球場で行われた開幕戦に、チーム初代開幕投手としてマウンドに上がった。

 球速以上に強さを感じる、切れ味鋭いストレートが持ち味の左腕だった。

中継ぎ転向し、タイトル争いも

 昨年はシーズン途中からは中継ぎに転向して38試合1勝4敗1セーブ12ホールド、防御率3.42をマーク。ホールド数はリーグトップタイだった。

 今季は開幕からリリーフに専任。ここまで28試合2勝2敗1セーブ13ホールド、防御率2.57と安定感を増し、ホールド数、ホールドポイント数ともにリーグ単独1位に立っていた。

 だが、8月11日の火の国サラマンダーズ戦(山鹿市民球場)を最後に、登板がなかった。

 同リーグでの2年間の通算成績は66試合(3先発)3勝6敗2セーブ25ホールド、防御率3.20だった。

 本野は球団を通じて、以下のようにコメントを発表している。

肩の故障で引退を決断

「この度、シーズン途中ではありますが引退することに決めました本野一哉です。

 理由としましては、肩の故障で思うようなボールを投げられなくなったことが1番の理由です。復帰を目指して頑張りたい気持ちもありましたが自分の生活を考えた時、このまま続けていくのは厳しいと判断し、引退を決意しました。

 これまでファン、スポンサーの皆様、球団に携わってくださったたくさんの方々のご声援、ご支援のおかげで素晴らしい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

 これからはみなさんと同じ立場になってフェニックスを応援していきたいと思います。

 最後に北九州下関フェニックスで野球ができたことを誇りに思います。本当にありがとうございました」

 北九州下関フェニックスはかつてロッテや阪神、大リーグでも活躍した西岡剛が選手兼任監督を務めている。今季ここまで64試合を戦って37勝22敗5分、首位まで7ゲーム差のリーグ2位。リーグ戦14試合を残している。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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