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ドラフト1位のプロ1年目は「50点」。ソフトバンク風間球打、オーストラリア武者修行で得た手応えとは

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクの風間球打投手(筆者撮影)

 オーストラリアでの“武者修行”を終えて帰国したソフトバンクの風間球打投手が20日、球団と来季契約更改交渉を行い20万円ダウンの年俸1080万円の提示にサインをし、その後オンラインで取材に応じた(金額は推定)。

実戦デビューは10月

 今年がプロ1年目だった風間は、ドラフト1位で秋田・ノースアジア大学明桜高校から入団。高校3年生の夏の県大会で自己最速の157キロをマークし、その圧倒的なスケール感で世代を代表する投手として注目を浴びて甲子園にも出場した。

しかし、ルーキーシーズンは5月に右肘の張りや右膝の違和感などを訴えて大半をリハビリ組で過ごした。公式戦登板は一、二軍を通じてゼロだった。

 実戦マウンドに上がったのは10月から。三軍戦で独立リーグ球団を相手に投げ、その後は「みやざきフェニックスリーグ」に参戦して西武戦やロッテ戦で登板した。

オーストラリアでの戦績、投球内容は

 そして、11月から先日までは球団からオーストラリアのウインターリーグに派遣され、現地で4試合に登板(すべて先発)した。成績は0勝1敗、防御率4.40。14回1/3を投げて被安打15、奪三振20、与四球10の投球内容だった。

 平凡な数字に映るが、最初の登板が荒天の悪条件(途中打ち切りで、翌日継続試合へ)もあり、大乱調(1回2/3、5安打、4失点)という結果に。それを除く3試合で考えれば、防御率は「2.13」となり、悲観するほどの現地での登板ではなかった。

高校時代の良い感覚を取り戻した

 ウインターリーグ武者修行については「最初は不安もあったし、どんなバッターがいるかもわからなかった。また、最初は怪我明けの調子悪いまま臨んでしまったけど、徐々にキャッチャーとコミュニケーションをとれだして、投げていて自信もついていった。高校の頃のように、80の力くらいで投げても、100の力と同じような球を投げられるようになってきた。悪かった球筋が良くなりました。オーストラリアはいい経験になりました」と振り返った。

 また、こんな発見もあったという。

「ちょっとした環境の変化の中で、自分の中でも考え方も変わった。海外でやっていることもあって、周りにとらわれずに自分の考えでやれた。周りを頼るのも大切だけど、今後もなるべく自分で考えてやっていきたいと思いました」

 苦しいこともありながら、1年の終わりには確かな収穫も得たルーキーイヤー。自己採点は「50点です」とのこと。

「来年は、最速155キロは出して、一軍で投げたいです」

 満点と胸張れる2年目とすべく、プロ入り後初のシーズンオフも若き翼をさらに磨いていく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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