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「緊急事態」ソフトバンクの救世主に!グラシアルが三軍復帰戦で2安打2打点【一軍復帰のポイントは?】

田尻耕太郎スポーツライター
三軍戦の出場したグラシアル(右)・筆者撮影

 7月15日、福岡ソフトバンクホークス三軍は練習試合で四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。しかし、試合開始後に振り始めた雨脚が強くなり三回裏途中にノーゲームとなった。

デスパイネはファーム1戦で昇格。グラシアルは?

 この日の最大の注目は、ジュリスベル・グラシアル内野手の実戦復帰だった。

 グラシアルは6月27日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、療養期間を経て今月8日からチームに合流していた。

 二軍戦での復帰も見込まれた中、日本各地の天候が不安定なことを考慮して人工芝グラウンドのタマスタ筑後で行われる三軍戦が優先された。

 「4番DH」でスタメン。グラシアルの試合出場は6月24日の日本ハム戦以来。一回裏、1アウト二塁で迎えた第1打席は、高知先発の左腕・有水龍の141キロ直球を左翼線へライナーではじき返し適時二塁打とした。その後は内野ゴロの間に三進し、荒木の適時打で本塁へ生還する走塁もあった。

 二回裏の第2打席では2アウト二塁から中前適時打。2打数2安打2打点と上々の再スタートを切った。

一軍DHはデスパ。グラシアルは守備も

雨が強く降る中でも高い集中力でプレー(筆者撮影)
雨が強く降る中でも高い集中力でプレー(筆者撮影)

 小川史三軍監督は「よかったね。久しぶりの試合だったけど、やっぱり違うね」と感服の様子だった。デスパイネは、藤本博史監督の「緊急事態の緊急事態」という要望もあり、二軍戦に1試合出場しただけで早々の一軍昇格となったが、試合直後の時点で小川三軍監督はグラシアルについては「あと1、2試合はこっちで」と否定した。

 一軍ではデスパイネが指名打者で出場しており、グラシアルは守備に就くことも求められる。

「今朝の段階ではまず指名打者で出場して、問題なければ次は守備も、となっている。明日の三軍戦の守備に就くか、試合前に本人と話をして決めることになると思います」(小川三軍監督)

 一軍は球宴まで残り8試合。グラシアルは首位ターンを決めるためのキーマンとなる。早期の完全復活が待たれるところだ。

【7月15日 練習試合 タマスタ筑後】

高知     `000 

ソフトバンク `330×

(ノーゲーム)

<バッテリー>

【FD】有水、――福井

【H】アルメンタ――加藤晴

<本塁打>

なし

<スタメン>

【FD】8草場 D西川 9サンフォ 3鳥井 2福井 5高橋 4山本 6乗田 7早坂

【H】4藤野 7舟越 9仲田 Dグラシアル 8山本 5三代 3荒木 6勝連 2加藤晴

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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