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プロ0発男が「開幕1番・二塁」前進弾!昨季は秘技“ジャンプ打ち”も、今年は「どっしりと」

田尻耕太郎スポーツライター
ホークスビジョンに紹介される三森(筆者撮影)

藤本ホークス、本拠地初戦を飾る

 3月2日、福岡ソフトバンクホークスは本拠地PayPayドームで中日ドラゴンズとオープン戦を行った。

 

【3月2日 オープン戦 PayPayドーム 12915人】

中日     `000000100 1

ソフトバンク `00110100× 3

<バッテリー>

【D】小笠原、岡野――木下

【H】石川、松本、藤井、甲斐野――甲斐、海野

<本塁打>

【Ⅾ】阿部1号 【H】三森1号

<スタメン>

【D】9岡林 8大島 5石川昂 7鵜飼 4高橋周 2木下 3阿部 6京田 D福留

【H】4三森 8佐藤直 9柳田 Dグラシアル 7栗原 3中村晃 5松田 6今宮 2甲斐

ホークス勝利の瞬間(筆者撮影)
ホークス勝利の瞬間(筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクは2日前に宮崎キャンプを打ち上げ、この日が本拠地での初試合。地元ファンへ「藤本ホークス」のお披露目となった。

 三回、三森のオープン戦1号ソロで先制。四回には栗原が四球出塁から二盗を決めてチャンスを作り、今宮の中前適時打で追加点を挙げた。六回は1アウト三塁から途中出場の井上がボテボテの二ゴロを打つ間に三塁走者が本塁生還し、そつのない攻撃で1点を奪った。

 先発した石川は「まだ課題もある」と言いながら、3回を41球で収めて1安打4三振1四球で無失点と上々の結果を残した。藤本監督も「今日は投手陣が良かった」と満足げだったが、「反省点は松本が先頭にフォアボールを与えたところ」と、被弾よりも不用意に出塁を許したところに目を向けていた。(了)

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三森大貴「行ったかな」

 三森大貴内野手が三回、右翼席へオープン戦1号先制ソロを放った。

 中日先発・小笠原の内角低めの難しいボールだったが、「打った瞬間に行ったかなと思いました」と振り返った大きな打球は、テラスを飛び越えてライトスタンドに突き刺さった。

 シュアな打撃が持ち味だが、身長186センチの大型野手だから長打力も魅力の一つだ。過去にはファームでは鋭い当たりを何本も飛ばしていた。しかし、一軍ではまだ本塁打0。本拠地で放った嬉しい一発になった。

「でもシーズンで打ちたいですし、他の打席の内容も含めてもっといいものを作っていきたい」

高い修正能力

 不満だったのは初回の第1打席だ。初球を二ゴロで簡単にアウトを献上した。「タイミングがずれて打ってしまった。もったいなかった」。ただ、それを次の打席で修正して本塁打にした。気持ちの切り替え、そして技術の修正。23歳とは思えぬ落ち着きが、野球の技術でも発揮されている。

両足が地面から浮いていた

 技術といえば、昨季は離れ業を演じた。ある試合の打席でタイミングを崩された際に、とっさの判断で飛び跳ねて体の軸を修正して、技ありでヒットを放った。バットがボールを捉えた瞬間、両足は地面から浮いていた。

 ただ、それは偶然の産物であり、三森自身が求めるスタイルではない。

「打撃では去年よりも下半身を意識しています。どっしりと。自分の中で意識をしているのが、去年とは違う点だと思います」

 現時点で二塁手のレギュラーはほぼ確実。あとは1番打者を狙いに行く。

「開幕でしっかりそこ(1番・二塁)で出られるようにアピールしていくしかない」

 伸び盛りの若鷹はオープン戦も本番さながらの集中力で臨んでいく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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