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鷹のA・ロッドだ!ホークス中谷将大の新天地デビューは奇しくも甲子園・阪神戦に

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクへの入団会見に臨んだ中谷(右)。左は三笠GM(球団提供写真)

 阪神タイガースから交換トレードで福岡ソフトバンクホークスへ移籍した中谷将大外野手が7月5日(月)、PayPayドーム内で入団会見を行った。

 中谷は福岡県小郡市出身の28歳外野手。少年時代にはホークス戦をドームに観戦に来たことがあると言い、「小久保さん、松中さん、城島さん、井口さんが活躍していた。全員が好きだった」と振り返った。そして「地元にはお世話になった方々、友人、そして親もいます。プレーを見てもらえる機会が増える。感謝の気持ちを持って、恩返しのつもりでプレーをしたいです」と口元を引き締めた。

背番号13の長距離砲がホークスに誕生

ポーズを決める中谷(球団提供写真)
ポーズを決める中谷(球団提供写真)

 身長187cm、体重94kgの恵まれた体格から力強い打球を放つ右の長距離砲だ。福岡工大城東高校から2010年ドラフト3位で阪神に入団し、2017年には133試合に出場して20本塁打と活躍した。今季は一軍出場がなく、今月2日に二保旭投手とのトレードがソフトバンク、阪神の両球団から発表されていた。

 会見を行った中谷は「最初にトレードの話を聞いたときは頭が真っ白になりました」と当初の心境を明かしたが、「時間が経つと周りから『チャンスだ』と言ってもらえたし、自分でも『チャンス』と思うようになりました。どん欲に頑張りたい」とすでに前向きな様子だった。

「(会見に臨んだ現在は)嬉しい気持ちでいっぱいです。必要としてもらえるのが野球選手として嬉しい。やってやるぞという気持ちです」

 背番号は二保から引き継ぐ形で「13」となった。

「メジャーリーグでA・ロッド(元ヤンキースの主砲、アレックス・ロドリゲス選手)がつけていた番号。かっこいい番号と思います」

 10番台は投手がつけるというイメージが強いが、メジャー通算696本塁打を放ったアレックス・ロドリゲスはニューヨーク・ヤンキースでプレーした2004年から現役引退する2016年まで「背番号13」でプレーした。その強打者像に憧れて、中田翔が侍ジャパン選出時には13番のユニフォームで戦ったこともあり、さらにロッテの平沢大河もチームで背番号13をつけている。

甲子園で新天地デビューだ

 中谷も、自身の武器を「やっぱり打撃」ときっぱり。「しっかりバットで試合に貢献できるようにやっていきたいです。チームとしては、優勝するために力になれるよう頑張りたいですし、個人の目標としては、強いチームの中でレギュラーを獲れたら嬉しい。レギュラーを獲れるようにやっていきたい」と力を込めた。

 今後については「明日からファームに合流します」と明言した。

 ソフトバンクの二軍は明日6日からウエスタン・リーグ公式戦で阪神タイガースと対戦する。今回のカードは甲子園球場での開催となる。

「みんなとお別れしたのに。煽られるとは思うんですけど、頑張りたいと思います(笑)」と新天地デビューへ笑顔交じりで意気込みを口にした。

 どんな大きな打球で鷹ファンを沸かせてくれるのか、ホークス・中谷の活躍が楽しみだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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