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今日ドラフト。抽選覚悟のソフトバンク、球団史上初の「野手1位」当たりくじは引けるのか

田尻耕太郎スポーツライター
ホークス・松井秀喜選手の可能性もあった(1992年に1位指名)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

近畿大学のスラッガー佐藤の1位指名を公表

 プロ野球のドラフト会議が26日、午後5時から東京都内で行われる。福岡ソフトバンクホークスは前日25日に、永井智浩編成育成部長兼スカウト・育成部長が近畿大学の佐藤輝明内野手を1位指名することを公表した。

 佐藤は今ドラフトの「目玉」だ。身長186cm、体重92kgの恵まれた体格を持つ右投げ左打ちの野手。仁川学院高校時代に甲子園出場はなかったが、大学入学後は1年時からレギュラーを獲得。今秋には関西学生野球リーグの本塁打記録(14発、従来は二岡智宏現巨人三軍監督の13発)を塗り替えた。ソフトバンクの柳田悠岐を彷彿とさせるパワフルなスイングが持ち味。守備位置は三塁。外野も守ることができる。

過去には松井、清原、中田翔・・・

 佐藤にはソフトバンクのほかに、巨人とオリックスも1位指名することを明らかにしている。指名球団はさらに増えることも予想される中で、ソフトバンクは工藤公康監督がくじ引き役を託されることになりそうだ。

 ソフトバンクが、他球団と重複で1位指名した野手のくじを引き当てて交渉権獲得となれば、じつは球団史上初となる。

 過去3年も当初の1位は野手だった。しかし、2017年の清宮幸太郎(日本ハム)、2018年の小園海斗(広島)、2019年の石川昂弥(中日)と3年連続で抽選を外してきた。

 投手は2016年の田中正義や2015年の高橋純平ら何度も「当たりくじ」を引いてきたが、野手を引き当てたのは29年前、1991年ドラフト会議での浜名千広(3位指名)まで遡る。

 前々身の南海、前身のダイエーから含めて「14度目の正直」で、ソフトバンク・佐藤輝明の誕生はなるだろうか。

ホークス、ドラフト1位野手の抽選の歴史

2019年 石川昂弥(東邦高)○中日、×ソフトバンク、×オリックス

2018年 小園海斗(報徳学園高)○広島、×ソフトバンク、×オリックス、×DeNA

<1位再抽選>辰巳涼介(立命館大)○楽天、×ソフトバンク、×阪神、×巨人

2017年 清宮幸太郎(早稲田実業高)○日本ハム、×ソフトバンク、×ロッテ、×ヤクルト、×巨人、×楽天、×阪神

<1位再抽選>安田尚憲(履正社高)○ロッテ、×ソフトバンク、×阪神

2008年 大田泰示(東海大相模高)○巨人、×ソフトバンク

2007年高校生 中田翔(大阪桐蔭高)○日本ハム、×ソフトバンク、×オリックス、×阪神

2005年高校生 陽仲寿(福岡第一高)○日本ハム、×ソフトバンク

1992年 松井秀喜(星稜高)○巨人、×ダイエー、×中日、×阪神

1988年 中島輝士(プリンスホテル)○日本ハム、×ダイエー

1987年 立浪和義(PL学園高)○中日、×南海

1985年 清原和博(PL学園高)○西武、×南海、×日本ハム、×中日、×近鉄、×阪神

1979年 岡田彰布(早稲田大)○阪神、×南海、×西武、×ヤクルト、×阪急、×近鉄

(参考・福岡移転後)

※1991年 3位 浜名千広(東北福祉大)○ダイエー、×中日

※1990年 2位 内之倉隆志(鹿児島実業高)○ダイエー、×近鉄、×広島

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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