コロナで延期に戸惑うナインに寄り添うホークス工藤監督。「準備に1カ月」の声にも同調
福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督が29日、PayPayドームで投手組とリハビリ組の自主練習を視察した後にオンライン取材に応じた。
1週間ぶりに球場を訪れ、選手たちの様子については「積極的に、自分のすべきことをしっかりやってくれていました。ブルペンに入って、少しずつですけど球数増えたり、走る量やウエイトトレーニングなども、各々がしっかり考えてくれて練習してくれています」と話した。
チームとしての全体練習は3月30日を最後に行われておらず、間もなく丸1カ月を迎える。4月9日から自主練習として球団から施設利用を許可されている選手たちは、環境があることに感謝をしつつも、やはりメンタル面の維持が厳しくなっている様子。「ワンパターンの練習になってしまう」とマンネリを口にする選手も見られる。
視察できていない野手には直接電話
工藤監督は選手の調整具合を気にしながら、並行して心のケアにも努めている。球場で会えば、ソーシャルディスタンスに気を配りながらも積極的に声を掛け、練習を視察できていない野手陣については数名に電話をして聞き取りを行うなどした。
工藤監督も「緊急事態宣言が発令されているうちは、このような形での練習が続くと思います」としながらも、プロ野球界はシーズン開幕に向けた話し合いや準備も行われている。
先日、ソフトバンクの松本裕樹投手は「開幕日が決まったとしたら、1カ月ほどの準備期間は欲しいと思います。僕はピッチャーなので、3試合ないしは4試合ほど投げたい。打者に投げていないしピッチングというものは一気に上げられるものではないので」とひとりの選手として言及をした。
先発投手は3、4試合の調整登板が必要
工藤監督も、すでに投手や野手そして各担当コーチに聞き取り調査を行ったことを明かした。そのうえで「やはり調整が一番難しいのは先発投手ではないかという意見が多かったし、僕自身もそのように考えていました。様々なシミュレーションはしています。先発候補に考えているピッチャーはやはり3試合から4試合ほど投げたいと言っていたので、やはり1カ月間ほどあれば選手たちは調整できると思います」と話した。
工藤監督が作成した幾通りものシミュレーションは、球団フロントにも共有されており、現場の意見として吸い上げられているという。
一部報道では本来交流戦明けのリーグ戦再開日だった6月19日が候補に挙がっているとされている。そうなれば、5月下旬には練習試合を行えるのが理想ということになる。それが実現可能な状況まで好転することを、今は願うことしかできない。
また、現時点ではプロ野球が開幕したとしても当初は無観客開催となることが濃厚になっている。「プロ野球の開幕を楽しみに待っていただいているファンの皆さんに、PayPayドームの臨場感の中で野球を見られないのは残念なことだと思います。しかし、これも感染拡大させないための、やむを得ない措置です。テレビなどを通じて選手たちの雄姿を見ていただければ幸いです」とメッセージを送った。