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「琉球トルネード」島袋洋奨、覚悟の全力投球。巨人3軍戦で6回好投!

田尻耕太郎スポーツライター
よみがえれ、島袋洋奨!(筆者撮影)

日暮が右中間2ラン&好走塁

9月16日、福岡ソフトバンクホークスの3軍は練習試合で読売ジャイアンツ3軍と対戦した。

 

【9月16日 練習試合 タマスタ筑後 485人】

巨人     000001200 3

ソフトバンク 002001000 3

<バッテリー>

【G】與那原、山上、橋本、坂本工、山川、ラモス、高井――広畑

【H】島袋、中村晨、尾形、小澤――堀内

<本塁打>

【H】日暮

<戦評>

 ソフトバンクは三回に2番日暮が右中間へ2ラン本塁打を放ち先制。1点を返された直後の六回裏は3番大本が右翼線二塁打を放ち、一塁から日暮が激走して生還した。しかし、七回に2番手の中村晨が2死から走者をためて同点打を許した。試合はそのまま引き分け。2試合連続ドローとなり、巨人3軍との三連戦はソフトバンクの2分1敗だった。(了)

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島袋、もう制球に不安なし

 先発した島袋洋奨投手が6回1失点と好投した。

 過去にコントロールに苦しんだ姿は全くなかった。低めに制球されたボールで、奪三振と内野ゴロでアウトの山を築いた。「今日は決め球を低めに集めることをテーマにしていました。ある程度それは出来たと思います」。六回は無死満塁のピンチを背負ったが、最少失点で切り抜けてみせた。6回まで投げて被安打4、奪三振は8を築き、与四球1のみの内容だった。

 今季の3軍など非公式戦の成績は25試合登板で3勝8敗、防御率5.55と振るわない。しかし、序盤が悪すぎた。最初の10試合までの防御率が12.89だった。シーズンが進むにつれて投球内容は改善されている。

 8月31日の四国IL・徳島戦(アグリあなん)は5回1/3、7安打、11奪三振、4与四死球、1失点。9月7日の同じく徳島戦(タマスタ筑後)は5回を投げて2安打、4奪三振、2与四死球、無失点だった。

闘志も向上心も変わらない

 沖縄・興南高校のエースとして甲子園春夏連覇を達成したのが2010年のこと。「琉球トルネード」と呼ばれる独特のフォームは、野球ファンの記憶に強く刻まれた。その後中央大学を経てプロ入りした。今季が入団5年目になる。当初39だった背番号が現在の143になって2年目のシーズンが終わろうとしている。

 投げたい。もっと上手くなりたい。活躍したい。チームの為に貢献したい。

 熱い闘志が変わることはない。そして島袋の活躍を信じ、応援し続ける野球ファンは大勢いる。筆者もその一人だ。素晴らしい投手であり、本当にナイスガイなのだ。

 一方で厳しい現実も受け止めている。3軍の残り日程を考えれば、シーズン中の登板機会はあと1度だ。来季に夢をつなげるため、島袋はマウンドでとにかく全力を尽くす。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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