中村晃&新井塾効果だ!3年目育成・田城飛翔が「4の4」で打率3割5分超

持ち前の打撃力を磨いて支配下へアピール(筆者撮影)

杉山が公式戦1勝目

4月16日、福岡ソフトバンクホークスの2軍はウエスタン・リーグで広島カープ2軍と対戦した。

【4月16日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,329人】

広島     010000000 1

ソフトバンク 10020100× 4

<バッテリー>

【C】●薮田(1勝2敗1セーブ)、塹江、島内――坂倉

【H】スアレス、吉住、○杉山(1勝0敗)、笠原、岡本、S二保(0勝1敗1セーブ)――九鬼

<本塁打>

なし

初勝利の杉山(筆者撮影)
初勝利の杉山(筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクが3連勝を飾った。1対1の同点で迎えた4回裏、田城と九鬼の連続タイムリーで勝ち越し。6回には1死満塁から増田の内野ゴロの間に追加点を挙げた。

 先発したスアレスは1回を投げて無失点で交代。1軍ローテで投げていたミランダが登録抹消されており、空白となった20日の西武戦(メットライフ)へ中4日で先発するための調整登板と思われる。3番手で登板したドラフト2位新人の杉山が公式戦初勝利を挙げた。(了)

3年目の打撃覚醒、田城飛翔

 バットを振れば快音だった。

 3年目の田城飛翔が4打数4安打の大当たり。打率を一気に3割5分4厘まで上げた。規定打席には「1」だけ足りないが、実質ウエスタン・リーグで打率2位に相当する打撃力を発揮している。

 背番号135の育成選手。青森の強豪である八戸学院光星からプロ入りした。高校時代には甲子園で本塁打を放つなど、もともと打撃がウリの左打ち外野手だったが、コレといった飛び抜けたアピールに欠いており支配下登録には届かずにいた。それどころか、気づけば2軍公式戦での出場機会もなくなり、昨年は1試合出場のみで打席には立てなかった。

 

「今までになかった考え方で打っている」

 今季はここまで17試合に出場して打率3割5分4厘、0本塁打、6打点、1盗塁。才能開花の兆しを見せ始めた。

「今までの野球人生ではなかった考え方でバッティングをしています」

きっかけは今年1月の自主トレだった。

「アキラ(中村晃)さんに自主トレに連れて行ってもらい、感じたことがあった。僕は強く遠くに打球を飛ばすためには思いっきり振らないといけないと考えていました。だけど、アキラさんって軽くというか、スパーンと振り抜いた打球がものすごく飛んでいく。『力じゃないんだよ』と言われました」

 田城もそれに取り組んだ。しかし、見るのと実際にやるのでは全然違う。悩んだまま春季キャンプに突入したが、そこで出会ったのが新井宏昌2軍打撃コーチだった。新井コーチはオリックス時代のイチロー、広島では丸佳浩、かつてホークスでも川崎宗則や柴原洋らの打撃の才能を花開かせるなど「左打者育成のスペシャリスト」として高名な指導者だ。「自分が分からなかったことを新井コーチとやっている中で理解できるようになってきた。新井コーチからも力じゃないと言われました。『力で飛んでいくんやったら、小柄な選手はプロで生きていくのは無理やろ。でも実際は違うじゃないか』と」

2人の師がくれたアドバイスとは

 また、中村晃と新井コーチがくれたもう一つのアドバイスも共通していた。

「新井コーチからは『タイミング負けするな』、アキラさんからは『タイミングを早めに取って行け。差し込まれたら負けだ』と言われました。だから、今はしっかり準備をすることを意識して打席に入っています」

 余計な力が抜けたことで芯でとらえる確率が格段に上がった。1スイングで仕留める。この日の4安打のうち初球打ちが2度あった。今季46打席で四球はゼロだ。今後は課題になるが、今はとにかく積極的にスイングを入れていくことをまず考えている。

 今日17日もスタメン出場すれば、規定打席に到達することは十分に期待できる。打率ランキングの上位に名前が現れる。

「いや、そこは欲を出さず、抑えていきますよ」

 一軍では育成出身外野手の釜元豪が好アピールを続けている。それも刺激になるはずだ。ファーム拠点の筑後から、また一人期待の若鷹が着実に成長を続けている。