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ソフトバンクにまたキューバの助っ人。強打者グラシアルは「レギュラー松田」の備えなのか?

田尻耕太郎スポーツライター
昨年のWBC強化試合に出場していたグラシアル内野手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

キューバリーグで82発

 ソフトバンクにまたキューバから大砲がやってくる。

 2月13日、ソフトバンク球団はジュリスベル・グラシアル内野手と契約合意に達したことを発表した。背番号は27。

 グラシアルは32歳で、主に三塁を守る右打ちの強打者。

 キューバ国内リーグの成績は、球団発表によると通算635試合出場、688安打、打率.307、82本塁打、404打点、110盗塁。

 2015-2016シーズンには打率.326、15本塁打、64打点、25盗塁を記録している。

 また、北米独立リーグのケベック・キャピタルズでもプレーし、17年シーズンは打率.333、13本塁打、65打点、14盗塁の成績を残している。

WBCでは菅野から逆転2ラン

 そして、昨年は第4回ワールドベースボールクラシックでもキューバ代表の一員として存在感を発揮した。2次リーグの日本戦では巨人の菅野智之から一時逆転となる2ラン本塁打を放っている。

 直近では、今月にメキシコで行われた中南米王者を決めるカリビアンシリーズにもキューバチームの一員として出場。2月2日のベネズエラとの開幕戦では二塁打1本を含む3打数2安打3打点の活躍でチームの勝利に貢献した。

 同シリーズでは全5試合に3番打者として出場。打率.353、0本塁打、4打点の成績だった。ところで、この5試合ではすべてライトでスタメン出場していた。本職は三塁手のようだが、外野はもちろんセカンドやショートを守ってきた実績がある。

デスパイネらの存在が活躍を後押し

 ソフトバンクでは松田宣浩の有事への備えという見方もあったが、強打者ながらもユーティティ性が期待できそうだ。

 また、ソフトバンクにはデスパイネ、モイネロ、コラスとキューバ人選手が多く在籍している。昨季途中加入ながら一軍の中継ぎで救世主的活躍を見せたモイネロは「デスパイネが野球の面ではもちろん、私生活でも多くの助けをくれた」と述べており、グラシアルにとっても、デスパイネは1つ年下ながら心強い存在となりそうだ。

 グラシアルは球団を通じて「昨年のNPB チャンピオンチーム ソフトバンクホークスと契約できてすごく嬉しいです。日本でプレーする事をずっと願っていました。キューバ代表チームメイトのデスパイネ、モイネロが同じチームにいることは凄く心強いですし、彼らから日本野球や文化の違いなどを教えてもらい、一日も早く日本野球に適応したいです」とコメントした。

 17日に来日。翌日の18日にキャンプ地の宮崎で入団会見に臨む予定だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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