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ソフトバンク柳田悠岐、新選手会長の抱負「楽しんでもらえるホークスに」

田尻耕太郎スポーツライター
昨秋のキャンプでもチームを代表して一本締めの挨拶を行った(筆者撮影)

20代で戦うラストシーズン

 1月30日、ソフトバンクは福岡市東区の筥崎宮で必勝祈願を行った。

 ユニフォーム組、スタッフ、フロントなど総勢160名が参加。一目見ようと集まった3800人のファンが作った花道を整然と行進した。

 柳田悠岐は、先頭の方で巨大な絵馬を持ち、やや緊張した表情で歩を進めていた。

 昨年11月の球団選手会納会の際に長谷川勇也から「選手会長」のバトンを渡された。毎年の必勝祈願では、選手会長が本殿での神事の際にチームの選手全員を代表して玉串をささげて、シーズンの健闘を誓う。背中に多くの視線を感じ、メディアからも一斉に注目を浴びる中で、柳田はきっちり大役を成し遂げた。

「プロに入った時は、そういう立場の選手になるとは思ってもいませんでした。そういう年齢になったんだなと思います(笑)」

 いかにも現代風の喋り口調で若々しいスラッガーも、今年10月で30歳になる。「いいパフォーマンスを長く続けたい」と今年1月も恒例のグアム自主トレに励み、プロ8年目のキャンプインへ準備は整えてきた。

 選手会長としては「まだ何をやればいいのか分からないので、勉強しながら成長したい」と笑っていたが、昨年末に取材をした際にはしっかりと抱負を述べていた。

「いろんな人に楽しくなってほしいかな。そうですね。みんなに楽しんでもらえるチームにしたい。いろんなやり方があると思うけど、僕はまあ、野球のプレーで楽しませたいと思っています(笑)」

 グラウンド内外で柳田選手らしさがどのように発揮されていくのか。まずはファンとの距離が特に近くなる宮崎春季キャンプでお手並み拝見といったところか。

ギータ流「もう1頂!」への思い

 また、今年のソフトバンクのスローガンは「もう1頂!」だ。連覇ではなく、心を一つにもう一度頂点を目指す。チャレンジャー精神を決して忘れない。

「1」の数字は昨年の「1ダホー!」からも継承されており、今シーズンも同じく「心を一つ」「チーム一丸」で戦うという強い決意が表れている。

 柳田もその意味を十分に理解している。

「野球は1人じゃできない。助け合いもすごくあります。もし自分がダメでも、周りが良ければ勝てる。逆に自分だけが良くてもダメ。チームプレーで1つの勝ちをもぎとっていくんです。優勝、日本一はその積み重ね。よりその思いを強く持ってプレーしていきたいです」

 20代で戦う最後のシーズン。「日本一の成績を残したい。とにかくどの部門においてもいい数字を残したい」。3年前の「トリプル3」よりも、もっと上の景色を見たい。「目指すはキャリアハイです」。

 柳田自身も「もう1頂!」の思いで臨む2018年。歓喜の秋を迎えるために、2月1日からの苦しい春季キャンプを日々必死で乗り越えていく覚悟だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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