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1軍意識の起用法。代打ジェンセンの9回同点打でソフトバンク追いつく

田尻耕太郎スポーツライター
9回の同点劇に盛り上がったソフトバンクベンチの様子

吉村、江川のベテラン陣が意地のタイムリー

5月6日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで広島と対戦した。

【5月6日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 3,113人】

広島     200001000 3

ソフトバンク 100001001 3

<バッテリー>

【C】中村恭、永川、飯田――坂倉

【H】大隣、岡本、加治屋――栗原

<本塁打>

【C】バティスタ8号

<戦評>

ソフトバンクが土壇場で追いつき引き分け。これで8試合負けなし(6勝2分)と好調だ。

初回、大隣がバティスタに先制2ランを献上したが、その裏に江川のタイムリー三塁打ですぐ反撃。2点差とされた直後の6回裏にも代打・吉村がタイムリーを放ち1点差と食らいついた。9回は先頭の真砂が二塁打でチャンスを作り、1アウト三塁から代打・ジェンセンがセンターへ同点タイムリーを放った。大隣は粘って6回3失点だった。(了)

水上2軍監督「心の粘りが出てきた」

開幕ダッシュに失敗したソフトバンク2軍だが、気づけばウエスタン・リーグの首位を走っている。

開幕から10戦は2勝8敗だったが、4月4日にホークスに復帰した川崎宗則が合流してから風向きが変わった。一気の連勝街道で貯金生活に突入すると、川崎が一軍昇格してからも若鷹はたくましく勝ち続けている。今日の引き分けで直近8試合負けなし。今季最長の6連勝を継続中だ。

水上善雄2軍監督は「心の粘りが出てきたね」と目を細める。

「真砂も途中ダブルプレーがあるなどした中で、最後は打ってチャンスを作った。ベテランの江川や吉村はさすがというところを見せたし。ベテランが乗せてくれた雰囲気の中で、若手も自分で入っていけるようになっている。もちろん課題はたくさんあるが、みんな逞しくなってると思いますよ」

ジェンセン、価値ある代打での同点打

ジェンセン、同点タイムリーを放つ
ジェンセン、同点タイムリーを放つ

また、9回の代打・ジェンセンのタイムリーについても「代打でも行けるというところを見せたところに価値がある」と話した。ここまで一軍昇格はないが、リーグトップタイの8本塁打を放つ長打力は魅力。一軍の現状を考えれば、昇格した場合も代打での起用が濃厚となるだけに、内容のある打席となった。

また、水上2軍監督はリリーフで1回を完ぺきに抑えた加治屋蓮についても称賛。わずか8球で3つのアウトを取り、2三振を奪ってみせた。「加治屋はあれくらいの投球が当たり前。また、大事な場面で行かせるし、続ければ一軍再昇格も見えてくる」と話した。(了)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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