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かつての甲子園V腕、ドラ1正田樹が独立リーグで奮投!

田尻耕太郎スポーツライター

鷹・白根がサヨナラ打

9月10日(水)、雁の巣球場ではホークス3軍による四国独立リーグとの定期交流戦が行われた。対戦相手は愛媛マンダリンパイレーツ。この一戦が、ホークス3軍の今年最後のホーム試合の予定である。

愛媛   000001000  1

ホークス 000001001× 2

【戦評】

ホークス3軍がサヨナラ勝ちした。序盤は投手戦だった。ホークス先発の岡本健と愛媛先発の正田樹がともに好投。しかし、6回に愛媛が先制。その裏、ホークスは細山田武史のタイムリーで追いついた。両先発はともに6回で降板。9回裏、ホークスは相手失策からチャンスを広げ1死一、三塁とし、4番白根尚貴がレフト前へサヨナラのタイムリーを放った。

ハム、阪神、ヤクルトでプレー

最も印象に残った選手はホークスではなく、愛媛マンダリンパイレーツの正田樹だった。野球ファンならピンとくる名前。1999年夏の甲子園、桐生第一(群馬)のエースとして優勝投手なり、秋のドラフトで1位指名を受けて日本ハムに入団した左腕だ。プロ3年目には先発で9勝をマーク。この2003年から4年間では78試合に先発登板してローテの一角を担うも、チャンスを掴みきれなかった。

その後は阪神→興農ブルズ(台湾)→レッドソックス(キャンプ招待選手)→新潟アルビレックス(BCリーグ)→ヤクルト→Lamigoモンキーズ(台湾)と所属チームを転々とした。そして今年5月に愛媛に入団した。

四国独立リーグで防御率1位

四国アイランドリーグplusの公式サイトによれば、9月9日までの投手10傑で一番上に名前があるのが正田である。防御率0.98の安定感。戦績は7勝2敗だ。

そして10日、ホークス3軍相手に6回1失点と好投した(勝ち負けつかず)。直球はほとんどが130キロ台中盤だったとの情報。それでも内角を強気に攻める投球スタイルには好感が持てた。ホークス白根によれば「球を動かしていた」とのこと。また、左打者に対して内角チェンジアップを投じるなど、投球技術の高さもうかがわせた。そして、かつても武器としていた大きく縦に割れるカーブは一級品。若鷹打線を完全に翻ろうしていた。

今年33歳。それでも独立リーグでプレーをしているということは、NPB復帰を諦めていない証だろう。今オフの補強リストに載せる球団は現れるだろうか。

ホークス2年目伊藤祐が実戦復帰

一方のホークス。3番手で登板した伊藤祐介が、約4か月ぶりの実戦マウンドで1回無失点と好投した。左肘を痛めていたが「腕もしっかり振れた。大丈夫です」と笑顔を見せた。

※9月10日:ホークス3軍vs愛媛の試合動画はホークス公式Ustreamにて公開中→http://www.ustream.tv/recorded/52498836

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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