Yahoo!ニュース

ホークスでしか見られない「2軍対3軍」

田尻耕太郎スポーツライター

本日から「Yahoo!ニュース『個人』」で執筆させていただくことになりました。

ボクの主戦場はプロ野球、なかでも福岡ソフトバンクホークスが中心です。しかし、敢えてタイトルからその2つのワードを外したのは、活動の領域を限定したくなかったから。

今まで、現場に足を運んだものの書ける場所(媒体)がなかった、ことは数えきれないほどあります。まぁ、それが「取材」というものですが、書ききれなかったコトを、ボクなりの「見た」「聞いた」「感じた」視点から表現できればと思っています。

見ていただいた皆様、これから見ていただける皆様、よろしくお願いします。

ホークスでしか見られない「2軍対3軍」

と言いつつも、やっぱりホークスの話(笑)。

4月30日、雁の巣球場では今年初めての「2軍」対「3軍」の試合が行われた。ホークスでは2011年から「3軍制」を敷いており、他の11球団ではなかなか見られないカードを年に数回見ることが出来る。

2軍は、現在ウエスタン・リーグは5球団制のためにどうしても空き日程が発生してしまうため、実戦を行う機会が得られる。3軍制も、もともと「2軍でも試合に出ることが出来る選手は限られる。特に、若手に多くの実戦機会を与えるため」設立された経緯もあり、ホークスの若手育成プログラムにおいても意味を持つ試合なのだ。

そして、試合結果は以下の通り。

3軍 000020000 2

2軍 001100100 3

【戦評】

2軍が意地を見せて競り勝った。3回裏に3番・カニザレスの犠飛で先制。4回裏には9番・真砂のタイムリーで追加点を挙げた。その後同点とされたが、7回裏に押し出しで1点を奪いこれが決勝点となった。3軍は5回表に2軍の2番手岡本を攻めたてて8番・中原、9番・曽根の連続長打で追いついたが、リリーフした川原が踏ん張れなかった。

「第7の男」の結果は?

この試合の最注目点は3軍で先発した大場翔太である。1軍は現在9連戦中。5月5日(月・祝)の日本ハム戦(ヤフオクドーム)の「7人目」の先発要員として最有力なのがこの右腕だ。前回登板(4月23日、オリックス2軍戦)では5四球と課題の制球面に不安を見せた。この日も四球から失点する悪いパターンが出たが、それでも前回よりは改善。3ボール1ストライクのカウントからも置きに行くことなく、しっかり腕を振って変化球で勝負する姿には好感が持てた。また、今年のストレートは昨年までよりも力がある。

今季はオープン戦で2勝0敗、防御率0.60ながら開幕1軍を逃した。ようやく巡ってくるであろうチャンスで、力を発揮する準備はできた。あとは当日に向けて、心を整えるだけだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事