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続編 こちらも危ない!国税庁を騙る、別バージョンの偽メール 目的は電子マネーの詐取!【9/14追記】

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
筆者のもとに届いた偽メール

前回、国税庁を騙る、SMS(ショートメッセージ)の先には何があるのかをお伝えしました。

最初にきたのは、メールだったのですが、時間を経てしまったために、偽の国税庁のリンク先にアクセスできませんでした。

あれから、ずっと迷惑メールボックスを見て、偽の国税庁メールを待っていましたが、なかなかこず……。

ようやく、「税務署からの【未払い税金のお知らせ】」が届きました!

今、この時も被害に遭っている人もいるかもしれないので、間髪入れずに、URLにアクセスしてみます。

差押最終通知のポップアップ画面

さっそく出てきたのは、赤字で「差押最終通知」と書かれた、ポップアップ画面です。

「納税(稅)確認番号:****2359」とあり、

あなたの所得税【稅】(または延滞金、法律により計算した金額【客勛】について、これまで自主的に納付されるよう催促してきましたが、まだ納付されておりません。もし最終期限までに納付がないときは、税法のきめるところにより、不動産、自動車などの登記登録財産や給料、売掛金などの債権【值権】などの差押処分に着手致します。

滯納金合計:40000円

納付期限: 2022/9/13

最終期限: 2022/9/13 (支払期日の延長不可)

(一部、誤字や誤訳があるので筆者が注釈を入れて直しています)

筆者がアクセスした偽サイト画面
筆者がアクセスした偽サイト画面

本日が支払いの期限のようでぎりぎりでした。

それでは「お支払いへ」のボタンを押します。

すると、「お急ぎで対応してください。下記の方法でオンライン納付もご利用いただけます」とあり、「メールアドレス」「電話番号」「名前」を記入するように促されます。

筆者がアクセスした偽サイト画面
筆者がアクセスした偽サイト画面

支払方法は、「 電子マネー(Vプリカ発行コード)」だけのようで、 クレジットカードなどには、線が引かれて「メンテナンスに伴うサービス一時停止となります」となっています。

筆者がアクセスした偽サイト画面
筆者がアクセスした偽サイト画面

「お急ぎで対応してください」とのことですので、適当な名前を入れて「次へ」に進みます。

次に出てきたのは「お客さまへの重要なお知らせ」で「セブン・イレブン『マルチコピー機』でご購入できます」となっています。

しかも、わかりやすく矢印で「メニュー選択」の「プリペイドサービス」を押すなどの記述があり、最終的には「Vプリカ」の購入を促します。

筆者がアクセスした偽サイト画面
筆者がアクセスした偽サイト画面

さらに次の画面に進むと、

1万円の額面でのVプリカ発行コード番号を複数記入させるようになっています。

ここに、購入した電子マネーの番号を入力して「支払い」へ進めば、この金額分が詐取されることになります。

筆者がアクセスした偽サイト画面
筆者がアクセスした偽サイト画面

この手口からわかることは「セブン・イレブン」のマルチコピー機が狙われていることです。しかし、他のバージョンでの電子マネー購入方法をとる可能性もありますので、セブン・イレブン以外のコンビニでも気をつける必要があります。

もし周りで4万円分のVプリカなどの電子マネーを購入する人がいれば、気をつけて頂ければと思います。

すでに被害が出ている報道もあります。国税庁という権威をもとに、架空の税金を払わせる手口が広がっています。

次のようなメールもきていますので、ご注意下さい。【9/14追記】

筆者に届いた、偽メール
筆者に届いた、偽メール

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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