テレグラム・地図アプリ……組織的犯罪の手口にデジタル化の波。詐欺被害が多発の理由もここに。

(写真:アフロ)

新型コロナウイルスの4波がやってきて、緊急事態宣言の延長が発表されました。家にいる時間が長くなるだけに、それを狙って電話やネットを使って押し寄せる、詐欺の波にも警戒が必要です。

今、脱ハンコ、ペーパーレスといった世の中の動きに合わせて、国はデジタル庁の創設に向けて動き出しています。詐欺や強盗を行う組織的犯罪グループは、この動きに先んじるように、ここ数年、犯罪のデジタル化をはかってきています。

〈独自〉闇バイト強盗の95%超がアプリ「テレグラム」悪用 警察当局も警戒

 (産経新聞)

詐欺や強盗などの組織的犯罪グループが、実行役らにスマホで指示をする時に、一定の時間が経つとメッセージが消えるテレグラムを使っていることはわかっていましたが、今回の記事で95%超えるという数字が具体的に出てきて、テレグラムを使うことが、すでにマニュアル化されている実態が浮彫りになりました。

これを使う一番の目的は、犯行の指示内容が証拠として残らないようにするためです。

犯罪の手足となるATMからお金を引き出す「出し子」や、お金を取りに行く「受け子」らは逮捕されても良い存在です。それゆえ、犯罪組織にとって、いかに逮捕された彼らから捜査の手が組織の上まで及ばないようにするかを考えています。

また、実行犯を募るために、犯罪組織は「簡単にたくさん稼げる仕事がある」などといって、SNSを使って募集をかけますが、その時にもメッセージアプリを使って連絡を取り合います。また、キャッシュカードのだまし取る方法をレクチャーする際にも、スマホに手順内容を送ります。

被害者の家まで地図アプリを使わせて、最短距離で行かせますし、実行役の耳にイヤホンをさせて逐一指示をするなど、今やすべてがネットを通じた形で行われています。

組織的犯罪の犯行の入口から出口まですべて、デジタルなしにはありえない状況になっています。

詐欺では、偽の肩書を使って、相手からの信用を取りつけて騙そうとしてきますが、ここにもデジタル化がはかられています。

これまで家を訪れる際に、偽の警察手帳を見せたり、首からパスケースを下げて、そのなかにコンビニでプリントアウトした、偽の職員証を入れて、インターフォン越しに提示していました。しかし、昨年末くらいから「警察手帳がデジタルになった」などと家人に嘘を話して、スマホの画面で警察手帳を見せて、家に入りこむようになってきています。

詐欺のデジタル化が、高齢者の被害に拍車をかけているといえるのです。

還付金詐欺急増の恐れあり

今年に入り、北海道や神奈川県、岐阜県などでは、昨年の同じ時期と比べて、還付金詐欺の被害が増えてきています。この背景には、新型コロナのワクチン接種の問題もあると考えています。

ワクチン接種の申し込み方法などは自治体によって異なっており、接種開始したものの電話をかけてもつながらない。ネットでのアクセスが集中したために、予約を中断したなどしたというところもあります。

こうした状況下、高齢者の方はいったい自分にいつ接種の順番が回ってくるのかわからず、とても不安になっています。そこに、役所をかたる人物から電話がかかるわけですから、つい話を聞いてしまうことになります。

つまり、役所の職員になりすまして電話をかけやすい状況が生まれているところに、還付金詐欺の被害が広がりつつあるのではないかと、考えています。

高齢者のワクチン接種はこれからが本番です。混乱、不安は詐欺犯たちの最も好むところですので、「優先的にワクチン接種が受けられる」などという電話がかかってきても、すぐに切ってください。そしてこれからは、偽の封書にも注意が必要です。

国民生活センターの新型コロナワクチン詐欺消費者ホットライン 0120-797-188や、警察相談ダイヤル #9110に電話をして、役所からの電話があった時には、ためらわずに事実確認をするようにしてください。