LINEPayが20%還元のカウンターパンチ~PayPay vs LINEPay 仁義なき戦い第2幕

LINEPayがPayPayに20%還元で勝負?(写真はLINE事業戦略説明会)(写真:つのだよしお/アフロ)

新規参入のQRコード決済「PayPay」10日で100億円還元が終了に

「20%還元」「100億円還元」に誰もが驚き、PayPayのモバイル決済をインストールしたのではないでしょうか。

ビックカメラやファミリーマートが12月4日に対応を間に合わせてきたことから、プロモーションは大いに盛り上がりました。ビックカメラでMacやSurface等のパソコンを買う人の行列ができた様子をインスタにあげる人がいたり、H.I.S.で旅行の予約をして全額還元になった人のキャプチャー画面がシェアされたりしました。

私は11月28日にPayPayの紹介記事をYahoo!ニュース個人にアップしていましたが、盛り上がりは予想以上でした。私自身も2回全額還元をゲットしましたし(どちらも少額でしたが)、累計では15000ポイントくらい手に入れました。友人には満額の10万ポイントをゲットした人もいます。皆さんはどうだったでしょうか。

500円プレゼント、20%バック、40人に1人全額バックの電子マネー「PayPay」は使えるか

大盛況の「100億円還元」がいつまで続くか(それはつまり、どれだけ利用があるか)に注目が集まっていましたが、なんと10日間で目標を達成し、13日にいったん終了となりました。「週末、パソコンを買いに行く予定だったのに!」と悔しがった人もいるのではないでしょうか。全額還元をざっくり見積もっても450~500億円の利用があったのでしょうから、まずは緒戦に成功したといえそうです。

PayPayの100億円還元のキャンペーンページ。今は閉鎖されている

ライバルのLINEPay、PayPayキャンペーン終了を受けて20%還元をスタート 仁義なき戦いが始まる

PayPayは電子マネーの中ではQRコード決済のしくみに該当します。スマホ画面にQRコードやバーコードを表示してスキャンしてもらう(ファミマはこちらで対応)、あるいは店舗のQRコードをカメラで読み取って支払いを行う仕組み(ビックカメラはこちらで対応)です。

同種の仕組みでは、OrigamiPayやLINEPayが先行していたのですが、PayPayの猛追を許してはいられません。

早速、カウンターパンチを浴びせてきたのはLINEPayです。PayPayの100億円還元プロモーションが終了したまさにそのタイミングで、プロモーションをぶちあげてきました。しかも「20%還元」という同じ還元率で「12月末までは終了条件なし」という設定をしています。

LINEPay 「Payトク」キャンペーンページ

LINEPayの利用店舗がすべて対象となっているわけではないので注意が必要ですが(例えばドラッグストアは対象に入らない)、コンビニではローソンとファミリーマートの2グループが使えるほか、和民、魚民、白木屋などの居酒屋チェーン店も対象です。また、12/21からビックカメラもLINEPay対応しており、利用の範囲が大きく広がりました。(プレスリリース

オンラインショッピングとしてはzozotownで使えたり、オンライン書店honto.jp(電子書籍)の支払いができるなど、消費ニーズによっては使い勝手がありそうです。

(※12/21にビックカメラとzozotownが利用できることを追記、honto.jpには電子書籍が対象である追記をしました)

今回、仁義なき戦いの第2ラウンドを繰り広げる両者のQRコード決済アプリについて、使い勝手や注意点を電子マネー好きのFP目線で比較してみたいと思います。参考にしてみてください。

キャンペーンや使い勝手の比較はどちらに軍配が?

○チャージが必要か

PayPayもLINEPayも銀行口座やクレジットカードをひもつけしてチャージを行いますが、PayPayの100億円還元キャンペーンでは、クレジットカードからの直接払いが可能でした。ところがLINEPayの今回のキャンペーンではクレジットカードからの直接支払いはダメで、銀行口座からのチャージを行い、そこから支払うことになります。

クレジットカードのポイント還元率(0.5%~)を狙っている人はLINEPayでは二重のポイントを得られないほか、チャージしたお金はキャンペーンが終わったとしてもLINEPayで使わなければならないということになります。ここは要注意です(といってもPayPayのポイントもPayPayで払うしかないのですが)。

○還元ポイントが分かりやすいか

PayPayは利用のつど、利用金額と獲得ポイント(20%ないし当選した場合は全額相当)がすぐ明示されるのが特徴でした。実際の付与は来月となっていますが、「今2000円使ったので400ポイントゲットした」ということが分かりやすくなっています。還元ポイントのスクリーンショットがSNSで拡散されて、さらに利用の輪を広げた印象です。

ところがLINEPayの場合、後日付与されるポイントは表示されず通常ポイントのみが画面に表記されるようです。筆者が利用してみたところ通常のポイント(それでも現在は3.5%なのでかなりおいしい設定ですが)のみが表示されています。キャンペーンのポイント付与は2月を予定しているので間違いではないのですが「あれ、利用に失敗した?」とか考えてしまいます。これはインターフェイスの問題ですが、ちょっともったいないところです。

○還元の上限設定はどうか

PayPayのキャンペーンは一件あたり最大で10万ポイントまで還元される設定でした。またひとつのお会計あたりで20%還元であり、何度会計してもそのたびに20%還元されるという大盤振る舞いでした。

今回のLINEPayのキャンペーンは「本キャンペーンに置けるLINE Pay残高の付与はお一人様につき最大5,000円相当です。」としています。

つまり、いくつもの買い物をした累計に対して20%が付与され、また上限が5000ポイントということは合計で25000円の買い物で打ち止めになる、ということになります。PayPayがスタート記念の大キャンペーンだったと考えても、今回の対抗措置はちょっとスケールが小さめということが分かります。

PayPayのときと同じように何十万円も買い物をして「20万円買い物したのだから、4万ポイントゲット」と誤解しないようにしたいものです。

中国もキャンペーン合戦でQRコード決済が普及した いいぞ、どんどんやってくれ!

今回のLINEPayのカウンターパンチ、「PayPayほどのビッグキャンペーンではないとしても、LINEPayを使ってみようと思わせるだけのインパクトはある」、というのが筆者の感想です。

またPayPayのキャンペーンが終わったタイミングで年内利用できるプロモーションとするのはなかなかうまいやり方だと思います(PayPayは期限があったものの100億円達成で終了と案内されていたため10日で終了になったが、LINEPayのほうは12月まで自分のペースで買い物ができる)。

ところで、PayPayのプロモーションについて、中国のマネじゃないかという揶揄がありましたが、確かにアプローチはそっくりです。

中国ではWeChatPay(微信支付)とアリペイ(支付宝)が2大QRコード決済として普及しており、日銀のレポートなどをみると、首都圏では9割以上の利用率です。露店も対応しているといわれますし、おじいちゃんおばあちゃんも使うということで、モバイル決済普及の好例として引き合いに出されます。

しかし何の理由もなく普及したわけではありません。アカウント開設やギフトシーズンのキャッシュバックプロモーションなどを積極的に行ったことで、「使わないほうがもったいない」と認知が進み、広く普及していったと言われています。

考えてみると、中国の2大決済手段の実施企業は、日本で言えばLINEのような会社とYahoo!ショッピングや楽天市場のような会社ですから、LINE PayとPayPayがQRコード決済で衝突するのも当然かもしれません。

(楽天市場も楽天Payと楽天Edyを持ってチャンスをうかがっています)

ユーザーとしては、「お得なほうをとにかく利用せよ」で考えればいいでしょう。どちらかの決済手段だけに忠誠を誓って、お得な決済手段を使わない理由はありません。(ライバルの決済手段をアンインストールしたら40%還元になるようなキャンペーンなら忠誠を誓ってもいいですが)私たちは便利なほう、お得なほうをそのつど決済していけばいいのです。

筆者は、とりあえず利用額25000円になるまでLINEPayを使ってみようと思います。PayPayについてはポイントが還元される来月以降、あるいは双方がプロモーションを仕掛けるたびにお得になるほうで決済してみようかと考えています。OrigamiPayも原則2%オフなので他の電子マネーよりはお得ですし、時々発行される10%オフクーポンは使うつもりです。

企業同士の仁義なき戦いの最終的勝利者は、実は消費者個人だった、といきたいものです。