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2021年に延期されたユーロ=欧州選手権。歴代ベストゲームとベストゴールを探ってみた

杉山茂樹スポーツライター
(写真:アフロ)

 今年6月から7月にかけて開催される予定だったユーロ2020は、1年延期されることになった。言わずと知れた4年に1度開催される欧州の国別対抗戦だ。1ヶ月弱の間に争われる短期集中トーナメント。W杯に一番近い大会になる。日本が出場していないので、第3者の立場で身贔屓なしに楽しめる大会であり、サッカーを学ぶ教材として、うってつけの大会だ。

 今回はそのユーロの思い出について記してみたい。ベストゲーム、スーパーゴールに迫っていきたい。

 ユーロ2012(ウクライナとポーランド共催大会)まで16チームで争われてきた本大会は、前回ユーロ2016(フランス大会)から24チームに増大。華やかさも増した印象だが、部外者であるアジア人の筆者が意見するのも何だが、16チームで争われた前々回までの方が個人的には気に入っている。チームの数が少ない分、上位と下位との力も拮抗していて、大会はグループリーグの段階から緊張感の高い、締まった試合が続いていた。

 たとえば、ポルトガルで開催されたユーロ2004。グループリーグD組はチェコ、オランダ、ドイツ、ラトビアが同居する最大の激戦区となった。当時のチェコは強豪で、ラトビアを除く3チームがまさに横一線で並んだ状態にあった。名勝負が生まれる条件は整っていた。

 チェコ対オランダ。個人的には、ユーロ史に燦然と輝く試合だと思っている。代表チームのベストゲームをひとつ挙げよと言われれば、水の都として知られる小都市、アヴェイロを舞台に行われたこの一戦になる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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