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日本サッカーの不思議。日本国内の3バックは、なぜその多くが守備的なのか?

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

 現在、開催中のコパアメリカで森保ジャパンは4バック(4-2-3-1)を採用している。だが、そのメンバー23人の集団は、4バックの両サイドバック(SB)を各2人(計4人)含んでいない。3バック(3-4-2-1)で臨む意志が伝わってくる構成だ。3バックの使用を急遽、断念した様子が見て取れる。

 母体となるU-22はご承知の通り、当初から一貫して3-4-2-1を採用してきた。森保一監督がサンフレッチェ広島時代に採用していた布陣をそのまま使用している。

 森保監督はU-22 の監督も兼務するが、実際には横内昭展コーチが代行監督の立場で指揮を執る。森保監督とは広島時代に監督とコーチの関係にあったので2人は以心伝心、通じ合っているとされる。森保監督も横内代行監督に理解を求めようと「私と考え方はまったく同じだと思ってもらって構わない」と、述べている。

 にもかかわらず、採用する布陣はそれぞれで異なる。森保監督は十分な説明もないまま、A代表監督として就任以来4-2-3-1を使用してきた。この2つのチームの混成で臨むコパアメリカはどうするのか。大会前から使用する布陣はどっちなのか注目されていた。

 直前に行われたA代表のテストマッチ(キリンチャンレンジ)、トリニダード・トバゴ、エルサルバドル戦で採用したのは3-4-2-1。森保監督はA代表監督として初めて森保式3バックを披露したことで、コパアメリカにも3-4-2-1で臨むものと思われた。実際、23人のメンバーは先述の通り3バック仕様の顔ぶれで占められることになった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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