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人と違うことが言いたければ、吹田スタジアムの最上階へ

杉山茂樹スポーツライター

パナソニックカップと銘打たれて行われた吹田スタジアムのこけら落とし。ガンバ大阪対名古屋グランパスの一戦は、思った以上によい試合だった。その優れた眺望が、試合の中身をよりよいものに見せていた、という感じだ。

「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」とは、その昔、富士フイルムのCMで流れた樹木希林と岸本加世子のやりとりだが、よいスタジアムにも似たような効果がある。これまでガンバ大阪が使用していた万博記念競技場でこの試合を観戦したら、娯楽性は20〜30%削がれていた気がする。サッカーはよいスタジアムで観戦するに限る。視角の急な眺望のよいスタジアム。その数と、Jリーグの娯楽性は密接な関係にある。

G大阪と名古屋。スタンド上階で俯瞰する僕の目に、よりよく映ったのは後者。1−3で敗れたアウェイの名古屋になる。中盤フラット型の4−4−2はコンパクトで、ボールの奪い方も上々。試合運びという点でG大阪に劣ったが、サッカーそのものの印象ではホームの勝者に勝っていた気がする。

中でも目に止まったのは田口泰士。センターハーフとしてマイボール時は優れたパスセンスを、相手ボール時はボール奪取に絡むセンスを発揮した。隣で構えるイ・スンヒとのコンビも良好。G大阪サイドの著名なコンビ、遠藤、今野と思わず比べたくなった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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