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独自路線を突っ走る日本サッカーと、誰も指摘しない不思議

杉山茂樹スポーツライター

レアル・マドリーの監督就任会見で「攻撃的サッカーの実践」をアピールしたジダン。現役時代、ユベントス(96〜97、97〜98)とマドリー(01〜02)の一員として、チャンピオンズリーグ決勝に3度出場した経験がある。

ユーベの一員として臨んだ97〜98は、マドリーとの対戦でもあった。攻撃的サッカーに属したのはマドリー。対するユーベは守備的サッカー。つまり97〜98のマドリー対ユーベ戦は、攻撃的サッカー対守備的サッカーの一戦でもあったのだ。

そこで、ジダン率いるユーベは、ブックメーカー各社から高い支持を得ていたにもかかわらず、マドリーに敗れた。この結果、どういうことが起きたか。守備的サッカーは衰退。この一戦は、攻撃的サッカーが興隆する弾みとなった、まさに天下分け目の一戦に相当した。その後、マドリーに移籍したジダン。その足跡に時代の波は現れている。

新監督就任に際し攻撃的サッカーを口にしたジダンだが、欧州ではその際に、理念や哲学を口にすることは半ば常識。攻撃的サッカーもすっかりスタンダードになっている。ジダンは特別なことをしたわけではまったくない。

だが、日本サッカーを語ろうとすれば、これは素通りできない一件になる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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