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強風が収まると、関東に雨や雪を降らせる南岸低気圧がやってくる

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

強風が吹き荒れる

最大瞬間風速(ウェザーマップ)
最大瞬間風速(ウェザーマップ)

きょう27日(火)は、日本の東海上で発達した低気圧の影響で、特に関東地方で北西の風が強まる形となり、各地で台風を思わせるような非常に強い風が吹きました。最大瞬間風速は、八王子で28.1メートルと2月の観測史上1位を更新したのをはじめ、東京都心でも26.2メートルに達し、25メートル以上となったのは、東日本や東北に甚大な被害をもたらした2019年10月の台風19号(41.5メートル)以来のこととなります。

この強風は、きょうほどではないものの、あす28日(水)も続きますが、あさって29日(木)には収まるでしょう。しかしそれとともにタイトル画像にある通り、関東に雨や雪をもたらす南岸低気圧が3月1日(金)にかけて通過する見込みです。

3月のスタートは難解な南岸低気圧が通過へ

降水域と上空500メートル付近の暖気と寒気予想(ウェザーマップ)
降水域と上空500メートル付近の暖気と寒気予想(ウェザーマップ)

南岸低気圧に伴う降水は、あさって29日(木)夜から始まり、1日(金)朝の通勤通学の時間帯にかけてピークとなるでしょう。では雨になるのか雪になるのか、その目安となる上空500メートル付近(最下層)の0度以下の寒気の予想でみてみます。

上図は降水がピークとなる1日(金)午前9時の予想で、低気圧が関東南岸を発達しながら通過し、この低気圧に向かって南から非常に暖かな空気が流れ込んでいるのがわかります。南からの暖気が優勢のため、北にある最下層の0度以下の寒気は、群馬や埼玉方面に一部にみられる程度となっています。この状態ならば、雪となるのは山沿いに限定されることになるでしょう。

ただ悩ましいのは、今回低気圧が発達しながら南岸の近い所を通過するため、降水強度が強くなり、それに伴って、内陸の寒気が地上付近まで引き下ろされ、地上で東側に氾濫する可能性も考えられることです。過去にこのパターンでは、内陸からの滞留寒気の氾濫によって、計算以上に雪の範囲が東側や南側に広がったことがあります。

今のところ、山沿いが中心の雪予想

MSMモデルの雨や雪の予想(ウェザーマップ)
MSMモデルの雨や雪の予想(ウェザーマップ)

今のところ、MSMモデルによる計算結果は上図の通りで、1日(金)朝の通勤通学の時間帯に降水がピークとなり、山沿いでは1時間に約3センチ以上の強い雪(大雪)も計算されています。平野部では八王子や熊谷、前橋などで、みぞれになる可能性がありますが、東京都心やさいたまなどは冷たい雨となる予想です。

ただ上述した通り、内陸からの最下層寒気の氾濫が強まり、地上気温があと2度程度低下すれば、東京都心やさいたまなどでも、雪が交じったり、雪になったりすることが考えられます。

最下層寒気がやや強い予想では?

GSMモデルの雨や雪の予想(ウェザーマップ)
GSMモデルの雨や雪の予想(ウェザーマップ)

もう一つのGSMモデルでは、内陸からの最下層寒気の氾濫がやや強く、八王子、さいたま、熊谷、宇都宮などでも、雪が交じる計算となっていて、あとわずかに気温が低下すれば、東京都心でもみぞれになるような計算となっています。

最新の予報に注意

天気や気温の予想(気象庁発表)
天気や気温の予想(気象庁発表)

気象庁が発表している予報でも、おおむね平野部では雨が主体とみられるものの、雨か雪の予報の所も多く、横浜でも1日(金)は雨か雪の予報です。東京には雪マークはありませんが、1日(金)の最低気温は予想幅の下振れになると、1度まで下がる予想で、完全に雨のみを予報している感じではありません。

3月スタートの南岸低気圧は、山沿いで大雪に注意が必要ですし、関東平野部でも、降水強度と最下層寒気の低下によっては、みぞれや雪の範囲が予想以上に広がる可能性も考えられるため、最新情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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