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週明けの関東の雪、鍵を握る最下層寒気の予想は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
MSMモデルによる予想降雪量(ウェザーマップ発表)

関東の最新の降雪予想は?

関東の雨や雪、大雪の予想(ウェザーマップ)
関東の雨や雪、大雪の予想(ウェザーマップ)

南岸低気圧に伴う関東の最新の降雪予想(MSMモデル)が発表されました。これによると、あさって5日(月)の関東での降り出しは、昼過ぎから夕方にかけてで、帰宅時間に差し掛かる午後6時には八王子では雪、東京23区は雨が予想されています。

その後は、降水とともに一気に気温が下がり、午後9時には東京23区でもみぞれや雪に変わってくるでしょう。東京多摩や神奈川西部などは、強い雪(大雪)となる計算です。その後、夜遅くにかけてピークとなり、6日(火)明け方には峠を越える見通しです。内陸を中心に積雪が予想されるため、6日(火)朝の通勤通学の時間帯への影響が心配されます。

東京23区で1~3センチの降雪計算

MSMモデルによる予想降雪量(ウェザーマップ発表)
MSMモデルによる予想降雪量(ウェザーマップ発表)

気象庁からはまだ公式的な予想降雪量は出ていませんので、参考までに、MSMモデルによる24時間の予想降雪量が上図です。山沿いでは10センチ以上の紫色が広がっていて、関東平野部に注目すると、1センチ以上を示す濃い青色から3センチ以上を示す黄色の所が広がっている状態です。

地点ごとにみると、東京23区で1~3センチ、八王子付近で3~5センチ、小河内(奥多摩)で10~15センチ、さいたま、海老名、我孫子付近で2~3センチ、宇都宮やつくば付近で4~5センチなどの計算となっています。

関東平野部での大雪注意報の基準はおおむね12時間に5センチとなっていますので、今のところ、注意報レベルの大雪と言えるかもしれません。ただわずかな気温の低下や降水量の増加で、この降雪量の2倍以上になることも多々あり、そうなると、大雪警報の基準となる12時間で10センチの降雪となってもおかしくはありません。

大雪警報級の可能性は[中]で発表中

大雪警報級の可能性(気象庁発表をウェザーマップが作成し発表)
大雪警報級の可能性(気象庁発表をウェザーマップが作成し発表)

気象庁からはあさって5日(月)から6日(火)にかけての関東甲信地方に大雪警報級の可能性[中]が発表されています。これは警報の可能性はあまり高くはないものの、気象条件が降る方に悪化すれば、警報の発表もあり得るということを表しています。そしてこの降雪量に大きく関係してくるのが、最下層の寒気の存在です。

鍵を握る最下層寒気の予想は?

上空500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
上空500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は、あさって5日(月)夕方から6日(火)明け方にかけての上空500メートル付近(最下層)の寒気予想です。北から0度以下の寒気がくさび状に関東平野に南下していて、これは南岸低気圧の降雪時にはよくみられるパターンです。

この最下層寒気が0度以下で、地上では雨に雪が交じり始め、-2度以下になれば、多くの場合、積もるような雪となります。今のところ、埼玉や多摩以北を中心に-1度程度ですから、みぞれや雪になる可能性はかなり高いものの、1度高い方にふれるか、1度低い方にふれるかで、地上の状況が一変する可能性のある微妙な寒気の強さと言えます。もちろん降水量が同じでも、低い方にふれれば、降雪量は増えることになります。

東京都心で雪が降った過去4回の最下層寒気は?

上空500メートル付近の寒気の実況(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
上空500メートル付近の寒気の実況(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

参考までに、上図は、過去4回、東京都心で雪が降った時の上空500メートル付近(最下層)の寒気の実況解析です。

2023年2月10日(金)

最下層寒気は、群馬など北部から多摩地方にかけて-3度以下となっていて、東京都心付近でも0度前後まで下がり、午前9時の東京都心は0.1度で雪となりました。東京23区にも大雪警報が発表されましたが、その後、最下層の寒気が弱まり、東京都心の積雪は0センチ(うっすら積雪)でした。

2022年2月10日(木)

最下層寒気は、関東のほぼ全域で0度以下となり、東京都心付近では-1度程度となっています。午後6時の東京都心の気温は0.6度で雪となり、積雪は2センチを記録しました。

2022年1月6日(木)

最下層寒気は、関東のほぼ全域で0度以下となり、東京都心付近でも-2度から-3度くらいまで下がっています。これはかなり強い最下層寒気です。このため東京都心の午後3時の気温は-0.3度と氷点下の冷え込みとなり、積雪は10センチの大雪となりました。

2020年3月29日(日)

最下層寒気は、関東のほぼ全域で0度以下となりましたが、全体的に0度を少し下回った程度です。このため、東京都心では正午の気温が0.9度で、積雪は1センチを記録しましたが、雪に変わったのは一時的で、約60ミリのまとまった降水量のほとんどが雨でした。

このように、東京都心を含む関東平野部で雨から雪に変わる条件は、最下層寒気が0度以下で、しかも-2度以下ならば、地上も0度前後となるため、ある程度の降水があれば、積もるような雪となる可能性が高いと言えます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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