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週末にかけて、暴風、大雨、高波、雪、黄砂、落雷、突風など、様々な気象現象に注意、警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
大雨で傘が差せない歩行者(写真:アフロ)

17日(金)にかけて活発な雨雲が通過へ

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

あす17日(金)にかけて、日本付近を低気圧や寒冷前線が通過するでしょう。これらに向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込むため、雨雲が発達する見込みです。

低気圧や寒冷前線が通過する際は、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。大雨に警戒が必要な時間帯は、四国であす17日(金)未明まで、近畿で明け方まで、東海で朝まで、関東で昼過ぎまで、北日本は夜にかけてとなりそうです。

強い風を伴い、短い時間ですが、大荒れとなる心配があります。暴風、土砂災害、低い土地の浸水などに警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風にも要注意です。(気象庁発表の全般気象情報

17日(金)は黄砂も飛来か

黄砂の予想(ウェザーマップ)
黄砂の予想(ウェザーマップ)

低気圧や寒冷前線の抜けたあと、西日本や南西諸島には黄砂が飛来する可能性があります。視程が5キロメートル未満となった場合には、交通障害の可能性もあり、念のため、注意が必要です。なお、晩秋から初冬にかけての黄砂は比較的珍しいものの、昨年12月には福岡で観測しています。(気象庁発表の黄砂情報

18日(土)にかけて寒冷渦が襲来

上空の寒気予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
上空の寒気予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

あす17日(金)夜以降、あさって18日(土)にかけて、今度は真冬並みの強い寒気が日本海から北日本を通過するでしょう。この寒気は偏西風から切り放された寒冷渦と呼ばれる性質のもので、落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨や強い雪、あるいは暴風などをもたらすおそれがあります。

高い海水温がより不安定度を悪化させる

海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)
海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)

このところ、一気に晩秋、あるいは初冬の寒さがやってきていますが、日本付近の海水温は、依然として平年より高い状態です。このため、上述したような強い寒気、寒冷渦が到来した場合には、暖かな日本海面上でより不安定度が増すため、活発な雷雲が大量に発生する心配があります。

18日(土)は日本海側で広く雷雨のおそれ

発雷確率(ウェザーマップ)
発雷確率(ウェザーマップ)

18日(土)にかけては、暖かな日本海と上空の強い寒気に伴って発生、発達した雷雲が日本海側に押し寄せてくる心配があります。上図のように日本海側では、長時間、発雷確率のかなり高い状態が続きますので、落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨や激しい雨、山では急な強い雪などに要注意です。

18日(土)は暴風がピークに

上空の寒気、風、雨や雪の予想(ウェザーマップ)
上空の寒気、風、雨や雪の予想(ウェザーマップ)

さらに寒冷渦に伴って、北日本方面で低気圧が発達するほか、寒冷渦の中心が到達するタイミングでは、特にその南側で非常に強い風が吹き荒れる心配があります。広い範囲での暴風は、18日(土)がピークとなりそうで、西日本や北陸、北日本を中心に広く暴風が吹き荒れ、関東でも南部を中心に、かなり強い西風が吹き荒れる心配があります。

九州北部や中国地方では、山沿いを中心に雪が降り、強い風を伴って、吹雪く所もあるでしょう。西日本は紅葉が真っ盛りの所もありますが、紅葉に雪化粧という所も出てくるかもしれません。

なお、全国的な荒天は19日(日)にはピークを越えますが、北日本や北陸は、引き続き、警報級の暴風が吹き荒れる心配があります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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