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統計史上最も遅い台風17号の発生と冬将軍の動向は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

ようやく台風17号が発生へ

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧や台風情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、フィリピンの東海上に熱帯低気圧が発生していて、気象庁からこの熱帯低気圧が今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が発表されています。台風となれば、10月20日に南シナ海で消滅した台風16号以来、久しぶりの台風17号の発生ということになります。

今年はエルニーニョ現象の影響もあってか、9月以降の台風発生数がこれまでに4個と極端に少なく、現時点では、1951年の統計開始以来、記録的に少ない台風の発生数となっています。ですから仮に台風17号が発生したとしても、過去最も遅い台風17号の発生(最晩記録更新)ということになります。(関連記事

発生が予想される台風17号は、ゆるやかに発達しながら西寄りに進み、週末にかけて、フィリピン付近へ達する予想です。

またこの台風17号のさらに東側に別の熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が顕在化していて、この熱帯擾乱を次の台風へ発達させるようなモデルも存在します。

冬将軍がピークに

上空約5500メートルの寒気(ウェザーマップ)
上空約5500メートルの寒気(ウェザーマップ)

一方、日本付近には、今季最強の寒気、冬将軍が南下しています。上空5500メートル付近の寒気の強さに注目すると、きょう13日(月)東日本を通過している-30度以下の寒気は平年より10度以上も低く、まさに真冬並みの冬将軍が通過している最中と言えます。

冬将軍の影響で、週末から北日本では続々と初雪を観測し、北海道の内陸では50センチを超える大雪となった所もありました。また東京都心でも、きのう12日(日)は日中の気温が10度前後と真冬並みの寒さとなり、けさ13日(月)は最低気温が7.9度まで下がる今季一番の冷え込みとなりました。

先週前半までは、全国的に記録的に暑い11月で、九州では真夏日を観測し、東京都心でも7日(火)には27.5度と、11月としては観測史上1位の暑さとなりましたので、そこからすると、あまりにも季節が急激に進み過ぎた感じがあります。ただこの冬将軍が抜けた後は、関東以西では、再び平年よりも暖かな日が多くなりそうです。

再び平年より暖かく

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

10日間予報をみると、関東から九州にかけては、最高気温が平年よりおおむね高くなる18度以上の晴天が多くなる予想です。先週のような汗ばむ高温とはなりませんが、それでも急発進した冬への季節の進みは再びスローペースとなるでしょう。

なお、17日(金)から18日(土)は低気圧や前線が急速に発達しながら日本付近を通過するため、全国的に雨や風が強まり、北日本や北陸を中心に、大荒れとなるおそれがあります。今後の気象情報に十分ご注意ください。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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