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久しぶりに熱帯低気圧が発生する予想

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
低圧部の雲の様子(ウェザーマップ)

熱帯低気圧が発生へ

天気図の変化(気象庁発表資料に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表資料に筆者加工あり)

タイトル画像にあるとおり、フィリピンの東海上で、低圧部が発生しています。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきりと分かるようになると、熱帯低気圧に呼び名が変わります。熱帯低気圧は中心付近の風が強まれば台風となりますので、台風のたまごとも呼ばれています。

気象庁の予想によると、低圧部はあす29日(金)午前9時までには熱帯低気圧に変わり、その後もゆるやかに発達しながら、あさって30日(土)午前9時にかけて、西寄りに進む予想です。

その後の予想はまだ気象庁からは発表されていませんが、30度前後もある暖かな海面上を進み、台風とみられる勢力に発達する計算も多くなっています。

今年は台風の発生が少なく、特に今月8日(金)に台風13号が消滅してから新たな台風の発生はなく、もし9月中旬から下旬にかけて、台風が1個も存在しなければ、1951年の統計開始以来、初めてのことになります。ですから台風になるとしても、9月中なのか10月に入ってからなのか、注目する点となります。(関連記事

週明け以降、沖縄の南へ?

天気図や雨の予想(ウェザーマップ)
天気図や雨の予想(ウェザーマップ)

参考までに、上図は日本の計算の一つです。低圧部は熱帯低気圧、あるいは台風とみられる勢力で、北西方向へ進み、来週半ばに沖縄の南へ到達する予想です。沖縄方面はまだかなり不確実ながらもこの熱帯擾乱の影響を受けるおそれがあり、要注意です。

今のところ、沖縄付近から北上せずに、西寄りに進んでいく計算が大勢を占めていますが、なかには日本の南へ北上を見込む計算も散見されるため、今後の情報にご注意ください。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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