久しぶりに台風となり得る低圧部が発生へ
低圧部が発生し、熱帯低気圧へ発達か
今年の9月は台風の発生が少ない珍しい状態が続いています(関連記事)。
ところが、台風となり得る熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が顕在化しそうです。タイトル画像をみると赤い丸の中にひと際目立つ真っ白な積乱雲がまとまってきており、気象庁の予想によると、あす28日(木)までには低圧部として顕在化し、上図のように、あさって29日(金)午前9時には日本のはるか南に顔を出してくる予想です。
低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心がはっきりとしない熱帯擾乱のことで、中心付近がはっきりと分かるようになると、熱帯低気圧に呼び名が変わります。
諸外国を含む種々の計算によると、この低圧部は熱帯低気圧に変わる可能性が高く示されており、その後もさらに発達する可能性があります。
不気味に高い海水温
今月8日(金)に東海沖で台風13号が消滅して以来、すでに3週間近くも台風の発生がないため、日本付近から日本の南海上にかけては平年より海水温の高い海域が広がっています。特に日本の南からフィリピンの東海上にかけては29度から30度以上もある状態です。
新たに熱帯低気圧や台風が発生すれば、その発達を助長するような高い海水温域が広がっている状態と言えます。
沖縄の南へ西進か、あるいは日本の南を北上か
上図はあくまでも参考ですが、日本のアンサンブル予報の一部を抜粋したもので、来週10月3日(火)午前9時の予想です。今後発生が予想される低圧部はその後も発達しながら北西方向へ進み、台風とみられる勢力へ発達を見込む計算も多くなっています。
その後の勢力や進路の動向にはかなり大きなばらつきがあるものの、おおむね来週の後半にかけて、沖縄の南へ西進する計算が多くなっています。ただなかには日本の南を北上したり、足早に転向し、小笠原方面を北上する計算も散見されます。
今後の動向に要注目です。