日本の南のダブル低圧部の動向は?
台風13号は東海沖で熱帯低気圧に
日本の南を北上し、東海地方に上陸するとみられていた台風13号は、きのう8日(金)午後9時、静岡県沖で熱帯低気圧に変わりました。その熱帯低気圧も衰弱し、天気図上からは姿を消すものの、熱帯低気圧の残がいの湿った空気がきょう9日(土)日中、関東付近を通過する見込みです。このため、不安定な天気が続きますので、急な雨や雷雨には要注意です。
記録的な大雨
今回は台風13号に最も近かった東海地方ではなく、台風周辺の湿った空気と北からの冷たい空気が衝突した関東付近で特に際立った大雨となり、上図のように、48時間雨量は、茂原で405.0ミリ、鴨川で366.0ミリ、日立で282.5ミリなどに達しました。
また今回の大雨に伴い、記録的短時間大雨情報が、千葉に11回、茨城に8回、福島に3回など、相次いで発表され、また線状降水帯が千葉、茨城、福島、伊豆諸島で発生し、おととしの運用開始以来、初めて関東地方に発生情報が出されました。
ダブル低圧部の動向は?
タイトル画像をみると、台風13号が終わったあとも、日本の南方海上にはあちらこちらで雲が湧き立っていて、このうち赤い丸の中付近で、2つの低圧部が解析される状況です。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環はあるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がハッキリすると熱帯低気圧に呼び名が変わります。
今の予想では、沖縄の南にある①の低圧部に関してはあまり発達する計算はありませんが、②の低圧部に関しては、発達する計算も見受けられ、なかには台風の勢力に強めているモデルもあります。
台風となり北上する計算も
参考までに上図は、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)による計算です。②の低圧部とみられる熱帯擾乱が来週半ばにかけて、小笠原の東をゆっくりと北上し、来週の週末には台風とみられる勢力で、関東沖に北上する予想です。
これはあくまでも1つの計算結果で、1週間後の予想にはかなり大きなブレがあるものの、低圧部の今後の動向は注視する必要がありそうです。