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台風6号は週明けに本州付近へ北上のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風6号の雲(ウェザーマップ)

Uターンし、沖縄や奄美から西日本の南海上へ

台風6号の予報円(ウェザーマップ)
台風6号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

大型で非常に強い台風6号は東シナ海で動きが遅くなっています。きょう3日(木)午後3時現在、赤い台風の暴風域に入っている所はありませんが、黄色い強風域には広い範囲が入っていて、台風に最も近い宮古島などでは、瞬間的に20メートルから30メートルの非常に強い風が吹き荒れています。

台風6号は今後、ほとんど停滞した後、あす4日(金)はUターンするように徐々に東寄りに動き出し、あさって5日(土)から6日(日)にかけて、沖縄本島や奄美地方にかなり接近する見込みです。台風6号が予報円の真ん中を進むと、再び沖縄本島でも暴風域に巻き込まれる可能性が高く、週末にかけて、長時間、暴風や大雨、高潮、高波などに、厳重な警戒が必要です。

そして週明けには強い勢力で西日本の南海上に進む予想です。8日(火)午後3時には四国沖に進み、予報円の大きさは直径440キロとなっています。5日後の予報円としてはかなり小さい方で、台風6号は週明け8日(火)には四国沖に位置している可能性が高いものと思われます。

その後の進路はまだ不確実で、いつ、どこへ向かうのか、まだかなりブレが大きい状態ですが、比較的多くの計算が西日本を中心に、本州付近へ北上してくる予想を示しています。

本州付近へ北上か?

GSMモデルとECMWFモデルの予想(筆者加工あり)
GSMモデルとECMWFモデルの予想(筆者加工あり)

参考までに、上図は日本のメインのGSMモデルとECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)モデルによる9日(水)午前3時の計算結果で、ともに西日本の南海上から北上して、陸地を進んでいる計算です。

細かく見ると、日本のGSMモデル(左)は、九州付近を北上しているのに対して、ECMWFモデル(右)はやや東側を北上し、紀伊半島付近を進んでいる計算です。いずれにしても、気象庁が発表している8日(火)午後3時の予報円の位置からは北上し、列島に向かってくる計算となっています。

これはあくまでも参考ではありますが、このように西日本の南海上から列島に向かってくる計算が多くなってはきているものの、今後も太平洋高気圧や台風6号の東側に予想される熱帯擾乱(ねったいじょうらん)などの影響により、進路や速度が大きく変わる可能性があります。最新情報に十分ご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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