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フィリピン沖の活発な積乱雲群が日本付近へ北上か、猛暑でも梅雨明けは見通し立たず?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧や梅雨前線などの雲(ウェザーマップ)

熱帯低気圧は台風4号となり、日本から離れる

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧や台風情報(気象庁発表)

タイトル画像で雲の様子をみると、赤い丸の中(左側)に熱帯低気圧が発生していて、今後24時間以内に台風へ発達する見込みです。発生すれば、約1か月ぶりの台風4号となります。

ただ予報円にある通り、台風4号は日本から離れるように南シナ海を西進し、ベトナム方面を指向する見込みで、日本付近への直接の影響はほとんどないでしょう。

一方、フィリピンの東にあるもう一つの赤い丸の中(右側)には熱帯低気圧ではないものの、活発な積乱雲群があり、今後この積乱雲群が日本付近に影響するおそれがあります。

積乱雲群が沖縄から北日本へ?

台風や太平洋高気圧などの予想(ウェザーマップ)
台風や太平洋高気圧などの予想(ウェザーマップ)

タイトル画像にある通り、きょう15日(土)は梅雨前線の活発な雨雲が北日本へかかかり、秋田県を中心に大雨となっています。土砂災害や浸水、洪水の危険度がかなり上昇していますので、大雨による災害に厳重な警戒が必要です。(気象庁のキキクル

一方、フィリピンの東にある積乱雲群は、本州付近で強まる太平洋高気圧の縁辺を回るように北上し、あす16日(日)からあさって17日(月)海の日にかけて、沖縄から朝鮮半島付近へ到達するでしょう。その後、太平洋高気圧の勢力が弱まるとともに積乱雲群は日本海を東進し、19日(水)にかけて、北日本方面を指向する予想です。このタイミングで再び東北地方などで大雨となるおそれがあります。

そしてこの雨雲が新たな梅雨前線を形成し、20日(木)頃にかけて、本州付近を南下する見込みです。さらに3連休に強まる太平洋高気圧も来週の後半にかけて衰弱してしまうため、しばらく不順な夏の天候が続く可能性があります。

梅雨明けは見通し立たず?

10日間予報(気象庁+ウェザーマップ)
10日間予報(気象庁+ウェザーマップ)

今後の10日間予報をみると、一時的に強まる太平洋高気圧の影響で、あす16日(日)から18日(火)頃までは典型的な夏空に加え、猛暑となる所も多いでしょう。熊谷や名古屋では39度、また東京都心でも37度が予想されています。

ところが上述したとおり、20日(木)にかけて再び梅雨前線が本州付近を南下するため、関東から九州でも雨の所が多くなるでしょう。その後もしばらく太平洋高気圧は強まる気配がみられないため、曇りや雨の予報が多くなっており、夏空が続くような予報とはなっていません。

もしこの3連休中に梅雨明けの発表がなければ、梅雨明けの見通しがなかなか立たない状態となるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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