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猛烈台風2号、来週は沖縄から本州付近を指向する計算も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風2号の雲の様子(ウェザーマップ)

沖縄の南でゆっくりと転向へ

台風2号の予報円(ウェザーマップ)
台風2号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、台風2号は中心の眼が鋭くハッキリと見えており、雲の様子を見ても、猛烈な勢力に発達していることが分かります。

きょう26日(金)午後3時現在、中心気圧905hPa、最大風速60メートル(115ノット)、最大瞬間風速85メートルの勢力で、5月の台風としては最強クラスなのはもちろん、年間を通しても、ほぼ最上位の発達を見せています。(関連記事

ちなみに米軍合同台風警報センター(JTWC)の発表では、さらに強力なスーパー台風となっており、最大瞬間風速は100メートルとなっています。

台風2号は週末にかけてフィリピンの東海上を猛烈な勢力で西進したあと、週明けに沖縄の南に達した頃からは、ゆっくりとですが、徐々に北から東寄りに転向する予想となっています。とはいえ来週31日(水)午後3時の段階でも、まだ石垣島のかなり南に位置している状態で、なかなか速度が上がりません。

その後の進路はまだかなり不確実で、北へ行くのか東へ行くのかなどは、ハッキリしませんが、弱まりながらも本州付近へ近づくモデルも多くなっているため、沖縄はもちろん、本州付近でも油断は出来ない状態です。

台風の影響は波で始まる

波の予想(ウェザーマップ)
波の予想(ウェザーマップ)

台風の影響は、波で始まり波で終わる、とも言いますが、沖縄にはすでに台風2号からのうねりが届き始めており、週末は時間を追うごとに波が高くなるでしょう。あさって28日(日)以降は、6メートル以上の大しけとなり、波浪警報が発表される可能性が高く、その後、来週後半にかけて、長時間の荒天に見舞われそうです。

来週後半にかけて転向し、本州付近へ?

GSMモデルによる台風2号や前線の雨雲予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
GSMモデルによる台風2号や前線の雨雲予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

参考までに、日本のGSMモデルの予想が上図です。台風2号は来週後半にかけて沖縄付近をゆっくりと北上した後、来週の週末頃に本州南岸付近に到達する予想です。台風2号の北側には前線に伴う雨雲が本州付近に横たわっており、最終的にはこれと一体化するように本州付近に大雨をもたらすような予想です。

これは種々の計算の一つで、あくまでも参考ではありますが、台風2号が抜けるまでは、沖縄はもちろん、本州付近でも長丁場の雨、大雨に見舞われるおそれがありますので、今後も最新情報にご注意ください。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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