季節は後戻り?太平洋高気圧は夏バテ気味で、しばらく張り出さず
真夏は見る影もなし
昨夜12日(火)は、埼玉県内で活発な雨雲が停滞したため、局地的ではありますが、記録的な大雨となり、特に鳩山では3時間に263.5ミリという経験したことがないような豪雨となりました。鳩山の7月の平年値は179.3ミリですから、わずか3時間で7月1か月分の約1.5倍の雨量を観測したことになります。
この埼玉県では12日(火)午後6時頃から午後10時頃にかけて、数年に一度程度しか観測されないような大雨が降った時に出される記録的短時間大雨情報が相次いで9回も発表されるというまさに異常な降り方となりました。
この不安定な天気をもたらしているのは、大陸から流れ込んできている上空の寒気なのですが、そもそも上空に寒気が入りやすくなっている原因は、南から張り出す太平洋高気圧の勢力がとても弱まっていることが挙げられます。
あす14日(木)の予想をみても、オレンジ色で塗られた太平洋高気圧の勢力範囲は日本の南に大きく南下しており、まるで季節が6月に後戻りしてしまったかのような状態となっています。そして、上空の寒気の流入は週明け18日(月)海の日にかけて、長丁場で、まだまだ続く見通しです。
大規模な寒冷渦で大規模雷雨のおそれ
あす14日(木)以降も、日本の上空を支配するのは真夏の主役、太平洋高気圧ではなく、大陸から流れ込む寒気という図式になります。
特にあさって15日(金)頃からは一段と強い上空の寒気の塊、寒冷渦と呼ばれる寒気の渦が日本付近をゆっくりと東進するため、広い範囲で大気の状態が非常に不安定となりやすく、あちらこちらで大規模な雷雲が発生、発達するおそれがあります。
寒冷渦に支配される状態は3連休の最終日18日(月)海の日まで続きそうですから、登山や山へのキャンプなどはもちろん、小さな川の近くでのキャンプなどは大雨により、急激に増水しかねない状況も想定されます。3連休にかけては、とにかく危険度の高い気象条件だということを承知の上、行動していただきたいと思います。
6月下旬のパターンはいつくる?
先月下旬に記録的な早さで梅雨が明け、記録的な暑さとなりましたが、その時の太平洋高気圧の実況は上図の通りです。沖縄付近ではあまり強くないのですが、本州付近では勢力が拡大し、大陸からはさらに背の高いチベット高気圧に覆われたため、ダブル高気圧で記録的な猛暑となりました。
本州付近で猛暑が長続きする時は大抵ダブル高気圧のパターンが顕在化している時なのですが、最新の数値予報を見る限り、向こう10日間程度は太平洋高気圧の張り出しが弱く、このようなパターンは予想されていません。
今から10日先となると、すでに7月も下旬から終わりに近づこうという段階ですから、可能性としては7月いっぱいは広範囲での猛暑はやってこないということも種々の計算の中には想定されてきています。