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台風1号あるいは台風が4月に接近するのは珍しいのか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

来週後半に強い勢力で日本の南へ

台風1号の予報円(ウェザーマップ)
台風1号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

きのう8日(金)午前9時、グアム島の南海上で今年初めての台風1号が発生しました。発生後は、やや発達しながら北上を続けています。

今後は海水温が28度以上あるフィリピンの東海上で一段と勢力を強めるとみられ、来週12日(火)から13日(水)にかけて、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い台風へ発達する見込みです。

その後、ピークは過ぎるものの、14日(木)午前9時には強い勢力で北緯20度を越え、日本の南へ北上してくる予想となっています。

14日(木)の予報円の直径は1000キロ程度ありますが、一時期は2000キロ程度もありましたので、ずいぶんと台風の方向性は定まってきた感じがします。

また14日(木)以降は北東方向へ進む計算が多くなっており、15日(金)から16日(土)頃にかけて、小笠原諸島付近を進む可能性が高いと思われますが、まだ勢力や速度などのぶれ幅は大きな状態です。

なお本州付近に近付く可能性は小さいと思われますが、来週の後半には本州付近で前線が顕在化し、ここに台風1号からの暖湿気が流れ込むと雨雲が活発化する可能性もありますので、関東や東海などでも油断は出来ない状況です。

今後も最新の台風情報にご注意下さい。

ところで、4月の台風接近や台風1号が接近するというニュースはあまり聞いたことがないと思われますので、過去にどれくらい例があるのか調べてみました。

4月に日本へ接近した台風は12個

4月に日本へ接近した台風(ウェザーマップ)
4月に日本へ接近した台風(ウェザーマップ)

まず気象庁によると、接近台風とは、台風の中心が日本のいずれかの気象官署等から300キロ以内に入った場合と定義されています。

統計のある1951年以降で、1月から3月までに日本列島へ接近した台風は1個もありません。ところが4月になると12個接近しており、上図に示したものがその12個の台風の進路です。

実は12個日本列島へ接近したといっても、そのほとんどが沖縄や小笠原諸島で、九州など本土に接近した台風は2003年台風2号、1956年台風3号のわずか2個のみとなっています。

ですから4月に沖縄や小笠原諸島に台風が接近することはあまり珍しくはありませんが、本州付近に接近するとなると、その頻度が一気に減り、かなり珍しいことになるといえます。

また台風1号の接近に限定すると、上図のように4月には3個(2004年、1999年、1997年)、他5月に4個(2011年、2009年、2001年、2000年)、7月に1個(2016年)の合計8個あり、やはりこのほとんどが沖縄や小笠原諸島への接近となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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