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台風1号発生へ 来週後半に日本の南へ北上か?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

フィリピンの東で強い台風に?

熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)
熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)

熱帯低気圧や台風情報(気象庁発表)

タイトル画像にあるとおり、フィリピン周辺からフィリピンのはるか東海上にかけて、広範囲に渡り、雲が発生しており、活発な積乱雲が盛衰を繰り返しています。

このうち東側にある雲域付近で熱帯低気圧が発生しており、気象庁によると、今後24時間以内にこの熱帯低気圧が台風へ発達する見込みとの情報が出されています。

発生すれば今年初の台風1号ということになります。

最新の予報円によると、発生した台風は北西方向へ進みながら徐々に発達し、週明け12日(火)午後3時にはフィリピンの東海上で、中心気圧975hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルの強い勢力に発達する見込みです。

なおこの12日(火)午後3時時点の予報円(台風の中心が進む可能性のある範囲)の直径は約1900キロと非常に大きくなっており、最も西寄りに進めばフィリピン方面に近づく可能性がある一方、東寄りを進めば、東経140度ライン付近を真っ直ぐに北上してくるような可能性も考えられます。

さらに北寄りに早めに進めば、すでに北緯20度を越えており、日本の南に北上している可能性も否定できない予報円となっています。

日本の南を北東進?

GSMモデルの予想(ウェザーマップ)
GSMモデルの予想(ウェザーマップ)

発生が予想される台風1号の来週半ば以降の動向はまだかなりの不確実性がありますが、参考までに上図は日本のGSMモデルにおける最新の計算結果です。

このモデルでは、フィリピンの東海上から日本の南海上へ進み、その後北東方向へ転向し、15日(金)から16日(土)頃にかけて、小笠原諸島付近を北上する計算です。

この他のアンサンブル予報や諸外国の計算結果をみると、この計算に比較的近いものが多くなっていますが、なかには小笠原諸島の南を離れて東寄りに進む計算や、もっと北上し、本州付近に近づいてくるような計算もわずかに存在しているため、4月だからといって侮れないような計算もあります。

南の太平洋高気圧や本州付近を流れる偏西風の状況によっては、このアンサンブル予報自体ががらりと変わってしまうこともあるため、まだ将来的にどうなるとはとても言えませんが、来週後半にかけて、少し気になる存在となるのは確かなようです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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