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新たな熱帯低気圧が発生し台風1号へ 来週日本の南を北上する可能性も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

きょう6日(水)午前9時に熱帯低気圧が発生

実況天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
実況天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

上図は気象庁発表による実況天気図です。

きょう6日(水)午前3時の時点では、フィリピン付近とフィリピンのはるか東海上に二つの低圧部(Lマーク)が解析されていました。これら二つの低圧部のうち、フィリピンのはるか東海上にあった低圧部がきょう午前9時に熱帯低気圧(TDマーク)に変わりました。

ここで低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心位置がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心位置がハッキリと推定されるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。

さらに熱帯低気圧が発達し、中心付近の風がより強まれば、台風の発生ということになりますが、きょう発生した新たな熱帯低気圧は今後どうなるでしょうか?

発達しながら来週沖縄の南方海上に到達か

GSM予想(ウェザーマップ)
GSM予想(ウェザーマップ)

日本のモデルによると、新たに発生した熱帯低気圧は海水温が28度から29度くらいある暖かな海面上で徐々に発達しながら西北西方向に進み、上図のように来週13日(水)にはフィリピンの東から沖縄の南方海上に到達する計算でおおむね揃っています。

またアンサンブル予報のうち、約半数が台風と思われる勢力への発達を予想しており、もし計算通りならば、今年初の台風1号となって、沖縄の南方海上付近へ到達する可能性もかなりあるのではないかと想像できます。

日本の南を北上する計算も多い

アンサンブル予報のごく一部(ウェザーマップ)
アンサンブル予報のごく一部(ウェザーマップ)

この熱帯擾乱は沖縄の南方海上付近へ到達したのち、北から北東方向へ徐々に転向する計算が多くなっているのも、現在の特徴の一つです。

ただどの辺りをどれ位の勢力で、いつ頃進んで行くのかは、まだかなり計算がばらついており、上図は15日(金)のアンサンブル予報のごく一部ですが、勢力を保ったまま日本の南を北上する計算や北上するものの勢力が急速に衰える計算、またこの頃にはすでに日本の東へ進んでいる計算など、様々となっています。

また諸外国のモデルでは、フィリピンの東で二つの台風が発生したり、沖縄の南方海上ではなく、もっと東側を北上したり、さらに大きくばらついている印象があります。

まだ太平洋高気圧の強さや日本付近の偏西風の流れなど、不確定要素が大きく、今後も熱帯擾乱の予想は変わる可能性がありますが、来週の後半に沖縄や小笠原を中心に、日本付近に影響する可能性も考えられますので、最新情報にご留意願います。

今後24時間以内に台風へ発達する予想に

熱帯低気圧に関する情報(気象庁情報をウェザーマップが発表)
熱帯低気圧に関する情報(気象庁情報をウェザーマップが発表)

新たに発生した熱帯低気圧が今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が、きょう6日(水)午後4時半前に気象庁から発表されました。発生すれば今年初の台風1号となります。

発生が予想される台風1号は週末から週明けにかけて、フィリピンの東海上を北西方向へ進む見通しです。

*台風が発生する見通しとなったため、タイトル変更及び内容に加筆しました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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