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年末寒波、年越し寒波、新春寒波、次々とやってくる強烈寒波に長期間の警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
富山県の大雪(写真:uco/イメージマート)

強烈寒波が次々と

上空の寒気予想(ウェザーマップ)
上空の寒気予想(ウェザーマップ)

いよいよ強烈な寒波が日本列島に流れ込もうとしています。

今回の寒波はきょうクリスマス25日(土)午後から流れ込み始めるため、クリスマス寒波といってもいいのですが、あす26日(日)をピークに、週明けの28日(火)頃まで居座るため、年末寒波の方が言い方は正しいかもしれません。

この年末寒波の特徴は、上空1500メートル付近の-12度ラインが関東から九州にかけて南下すること。このラインは、平年ならば北海道付近にある強烈な寒気で、師走にはあまり関東以西にはなかなか南下してこないため、師走としては最強レベルの寒波襲来ということになるでしょう。ちなみに関東以西の平年値よりも10度前後も低い強烈な寒気です。

そして最新の予想では、この年末寒波が抜けた後、大晦日から元日にかけて、再び-12度ラインが関東付近へ南下する予想となり、どうやら年越し寒波の襲来がありそうな気配です。なお九州や四国などへは、今のところ、南下の度合いは弱い見込みです。

さらにこの年越し寒波が抜けたあと、今度は正月の3日から4日にかけて、かなり大規模な寒波が襲来する予想です。-12度ラインの流れ込みをみても分かる通り、年末寒波とほぼ同じような南下の仕方となっており、再び西日本を含めて広範囲で大雪となるおそれがありそうです。

このように、これから年末、そして年明けにかけて、次々と強烈寒波の襲来が予想されるため、長期間の警戒が必要で、正月明けには北陸などの山沿いを中心に、記録的な積雪となっているおそれがあります。

年末寒波で総降雪量200センチ以上のおそれ

予想降雪量(ウェザーマップ)
予想降雪量(ウェザーマップ)

上図はこれから流れ込む年末寒波に伴う総降雪量(72時間)のコンピュータによる計算です。

東北から北陸にかけて、山沿いを中心に広がっている紫色の地域は、120センチ以上の降雪が予想されている所で、特に新潟県内の湯沢など山沿いでは、200センチ前後の非常に多い降雪が予想されています。

昨年の師走に、大雪のため、関越自動車道で大規模な車の立ち往生が発生しましたが、この時には24時間の降雪量が新潟県湯沢や群馬県みなかみ町藤原で100センチ以上に達しました。実はこの時の寒波よりも今回の年末寒波の方がより強烈なため、やはり24時間に100センチ以上に達するような記録的な降り方をしてもおかしくない状況だと思われます。

実際に気象庁から発表された全般情報だと、北陸の最大降雪量が、あす26日(日)朝までに70センチ、その後あさって27日(月)朝までに70~100センチ、さらにその後28日(火)朝までにも70~100センチが予想されています。

同じ場所で降るとは限りませんが、やはり72時間の降雪量が200センチ以上に達する所があってもおかしくない予想です。

また背の高い活発な雪雲が山を越えて流れ込む大阪や名古屋周辺の平地でも、あす26日(日)をピークに雪が降り、特に名古屋周辺では大雪となるおそれがあります。

きのう24日(金)は、国土交通省から大雪に対する緊急発表もありましたが、車で移動する際は、冬タイヤの装着、チェーンの携行及び早めの装着を徹底し、大雪の場合は、不要不急の外出を控えるなど、十分な対策を講じる必要があるでしょう。

もちろん交通機関などへの影響にも注意が必要で、これから次々と襲来する強烈寒波に長期間の警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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