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台風20号も発生、来週後半に沖縄へ近付くおそれも?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風19号と台風20号の雲(ウェザーマップ)

台風20号が発生、来週後半に沖縄の南へ?

台風20号の予報円(ウェザーマップ)
台風20号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

きのう29日(木)午前3時に台風19号が発生したのに続き、昨夜午後9時には日本のはるか南の海上で台風20号が相次いで発生しました。

これで今月に入ってから発生した台風は7個目で、平年3.6個の2倍となっており、2013年、1992年、1984年と並んで、10月としては統計のある1951年以降、最も多い発生数に並びました。

また今年は台風の発生ペースが遅く、10月に入ってから最初(5日)に発生した台風14号は、台風14号としては5番目に遅い発生でしたが、昨夜発生した台風20号は、台風20号としては16番目に遅い発生となっており、一気に台風発生のペースが上がったことがうかがえます。

台風20号は、今後30℃前後もある非常に暖かな海面上で発達しながら北西方向へ進み、予報円の真ん中を進むと、来週11月4日(水)午前3時には、日本の南、北緯20度付近に達し、この時点で中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力になる予想です。

なおこの時点の予報円は直径が1300キロとかなり大きく、北寄りに進んでいれば、沖縄にかなり近付いている可能性も考えられますが、このあたりから北寄りに進むか、西寄りに進むかは太平洋高気圧の張り出し具合によるところが大きくなっています。

西進か?北上か?

台風20号と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
台風20号と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

予報円によると、4日(水)午前3時の時点で、それまで北西に進んでいた台風20号は速度をゆるめて、ほとんど停滞する予想となっています。

これは上図左にある通り、太平洋高気圧の南端に沿って、北西方向へ進んでいたものの、沖縄の南あたりで太平洋高気圧の勢力が一旦弱まるため、台風を流す上空の風が弱くなるためと考えられます。

ただその後は東海上から太平洋高気圧が強まり、沖縄付近へも張り出してくるため、台風20号は再び西進傾向となるだろうという計算が比較的多い一方で、上図のようには高気圧が強まらず、沖縄方面へ北上する計算や、早々と転向して、日本の南や小笠原方面へ進む計算も散見されるなど、来週の後半にかけての動きはまだかなり不確実性が大きい状態となっています。

11月に沖縄へ台風が接近することはさほど珍しいことではないものの、4日(水)の時点で非常に強い台風となっている予想ですから、今後も最新情報にご注意下さい。

参考:デジタル台風

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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