Yahoo!ニュース

9月までに台風の上陸なしは11年ぶり7回目

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風13号と熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風13号は日本のはるか東海上を北上

台風13号の予報円(ウェザーマップ)
台風13号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風13号は暴風域を持つ台風として日本のはるか東海上を北上中です。

きょう29日(火)15時現在、中心気圧980hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速45メートルとなっており、台風13号としてはちょうど今が最盛期と言える状態です。

ただ進路はすでに日本へ向かう方とは逆の北北東へ進んでおり、このまま日本のはるか東を北東へ進みながら、あす30日(水)には温帯低気圧に変わる見込みです。

またタイトル画像をみると、台風13号の南側に別の熱帯低気圧がありますが、今後衰弱する予想となっており、あすまでに台風となって日本に上陸することはまずあり得ません。

これで9月までに台風の上陸が一つもないことが確定的となり、これは1951年の統計開始以降では、11年ぶり7回目のこととなり、平均すれば10年に1回程度の出現頻度です。

9月までに台風の上陸はなし

今年の接近台風(ウェザーマップ)
今年の接近台風(ウェザーマップ)

今年は7月に初めて台風の発生がゼロになるなど、7月が終わった時点で、わずか2個の台風しか発生していませんでした。

ところが、8月に入った途端、平年と同程度の台風が発生し、台風4号が沖縄に接近したのを皮切りに、台風5号、台風8号、台風9号が沖縄から九州の西側を同じように北上し、一時特別警報級と騒がれた台風10号も九州の西側をかすめるように北上しました。

さらに先週は台風12号が日本の南で発生後、北上し、一時上陸する可能性も出ていましたが、結果的には海へカーブし、伊豆諸島の東で温帯低気圧に変わりました。

このように8月から9月にかけて、多くの台風が日本に接近しましたが、結果的には上陸はしておらず、9月までに台風が本土に一つも上陸しないのは、2009年以来11年ぶり、7回目となります。

この11年前の2009年は、10月に入ってから、大型で強い台風18号が愛知県に上陸し、広い範囲に甚大な被害をもたらしました。

この他、2008年、2000年、1987年、1986年、1984年も9月までに台風が一つも上陸しませんでしたが、1987年はやはり10月に入ってから台風19号が上陸しており、また上陸しないまでも、2個程度の台風が10月以降に接近しています。

9月までに台風の上陸が一つもないからといって、油断禁物です。

新たな低圧部が発生予想

予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工)
予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工)

気象庁が発表した予想天気図によると、台風13号は前線を伴った低気圧に変わり、また現在発生している熱帯低気圧も今後弱まり、天気図上からは姿を消す予想です。

一方、これとは別にあす30日(水)午前9時には、日本の南、北緯20度、東経140度付近で、新たな低圧部の発生が予想されています。今後、熱帯低気圧に変わるかどうかなど、注目すべき存在となるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事